
お金を増やすためには
手っ取り早くお金を増やす最善の活動は、もちろん働くことである。
人生100年時代と言われる昨今、最も重要なことは、結局健康を維持して、働き続けることに尽きる。
それはそれとして、「お金に働いてもらう」という言葉があるように、お金を増やすことも考えておくのは必要なこと。お金の増やし方は、リスクをどう考えるかで大きな違いが生じる。ある程度のリスクを考慮して投資をおこなうことも方策のひとつとなりうる。一方でリスクを極力回避して組み立てることもある。
実際には、リスクの程度を加味しながら、リスクのあるもの、比較的リスクの小さいものなど組み合わせて、自分なりのポートフォリオを組んで実施していくのが望ましい。しかしそれには、一定の知識と実践経験を伴うので、いきなりとはいかないのは事実。
いずれ、少しずつ経験を積んで自分なりの投資スタイルを構築して、運用していくことを目指そう。ただし、世の中には、様々な甘言(脅しめいたものも含む)を用いて、投資勧誘する企業・人たちも多いので、それらを安易に信用せず、迷ったら専門家に相談することも大切である。
まずは、銀行預金
さて、今回は最もリスクが低いと考えられる銀行預金の話。一般的に銀行預金(信用金庫・労働金庫などを含む)は、保護されており、ペイオフとも呼ばれる。2005年4月から、「無利息・要求払い・引き落とし等の決済サービスを提供できる決済用預金」に該当するものは全額保護となり、それ以外の預金等については元本1,000万円とその利息が保護されるということになっている。
つまり銀行ごとに元本1000万円とその利息は、仮にその銀行が破綻しても保護されるということ。1000万円を越える分も、破綻時には一定のルールの下に処理がおこなわれるが、ゼロになってしまう可能性は相当に低い。もちろん破綻さえしなければ、1000万円を越えても問題ないことになる。
よく聞かれることだが、この1000万円は銀行ごとに設定することができるので、たとえば5つの銀行に1000万円ずつ預ければ、すべての銀行が破綻しても、合計5000万円までは保護される。1927年の金融恐慌時代には、こうした制度がなかったので、全国的な取り付け騒ぎが発生したが、今日はこの点ではリスクはかなり低くなっていると考えられる。
ここで注意が必要なことは、外貨預金は保護の対象とはならず、1000万円を越える預金と同じ扱いになるということ。外貨預金自体、普通預金とは異なり為替リスクもあるが、こうした預金保護がないことも留意しておく必要がある。また銀行が販売する投資信託も保護の対象外であり、手数料も割高な商品が多く、要注意である。
銀行の選び方で変わる
このように銀行預金は、リスクがかなり低いが、一方で超低金利時代の今日では、銀行の普通預金に預けていても、一考にお金は増えていかない状況になっている。大手都市銀行の普通預金金利は、年0.001%となっている。これは100万円を1年間預けて、わずか10円の利息しかつかず、ここから税金を引くと8円の受け取りとなってしまうということである。
一方定期預金金利も年0.002%なので、100万円を1年間預けても、税引き後の受け取りは16円である。この程度だと、正直銀行に預けている意味は、日常的な決済口座として活用できる他は、お金を一定安全なところに保管している以上の意味は、ほとんどないと言っても過言ではないと思われる。
しかし世の中には、大手都市銀行とは一線を画して、預金金利を高く設定して、利用者確保を進めている銀行がある。主にインターネット専業銀行や商業施設との連携を主体にする銀行である。前者は、PayPay銀行(元ジャパンネット銀行)、楽天銀行、ソニー銀行などである。後者は、セブン銀行やローソン銀行である。こうした銀行では、給与振り込みや年金受け取り口座としていることによって金利の優遇を受けることができる制度を設けているところもある。
ここでは、東京スター銀行を取り上げる。この銀行のスターワン口座(2021年5月末現在)は、給与振り込みか年金受け取りを指定すれば、普通預金金利が通常0.001%のところ、100倍の0.1%になるなどの特典がある。仮に100万円を預けておけば、1,000円(税引き前)を受け取ることができる。
普通預金金利の上位は、2021年5月現在下記の通り。ちなみに、あおぞら銀行BANK支店の普通預金は、定期預金と金利が同じというちょっと不思議な設定になっている。下記以外にも、大手都市銀行よりも高い普通預金金利を設定している銀行も存在する。また、各銀行は適宜預金金利を変更しているので、都度確認する必要がある。
あおぞら銀行BANK 支店0.2%
ローソン銀行 最大0.15%(300万円以上)
東京スター銀行 最大0.1%(条件あり)
楽天銀行 最大0.1%(条件あり)
イオン銀行 最大0.1%(条件あり)