運転に自信ありますか
このテーマでここまで書ききれなかったことを追記します。
「高齢者の自動車運転に関する実態と意識」(MS&ADインターリスク総研、2021年)によると、「ご自身の運転には自信がありますか」との質問に対して、60~64歳ではかなり自信ある・ある程度自信あると回答した人が約39%である。これに対して70~74歳では、合わせて約59%が、かなり&ある程度自信があるとしている。さらに80歳以上では、合わせて72%が、かなり&ある程度自信があるとなる。実は年齢が上がるほど、運転に自信があるとする人が増えるのである。同様の質問で、「ヒヤリ・ハットの経験あり・なし」の質問に対する回答は、同じ傾向で年齢が上がるほど「ない」とする回答が増えている。この調査はあくまで本人の回答している内容に基づくので、実際の自信や経験ではない可能性も大いにある(問題あるとは書きたくない気持ちの反映)。
サポカー限定免許は
今各地の自動車教習所は、70歳以上の高齢者対象の「高齢者教習」でにぎわっているそうだ。70歳を超えて免許の更新を迎えると、現在はこの講習を受けなければならない。また75歳以上になると認知機能検査が加わり、認知症であると判断されると免許の停止または取り消しとなってしまう。
最近判決が確定した池袋で発生した車両暴走事故をきっかけに、事故を未然に防止する手段として、「サポカー限定免許」が2022年に新設される予定になっている。これは、自動ブレーキ機能などを備えた安全運転サポート車に限定した免許である。
先の調査では、このサポカー限定免許の取得以降について聞いている。サポカー免許取得して運転したいとする人は、60歳未満では30%台であるものの、60歳以上では40%以上の人が取得したいと回答している。サポカー限定免許なしで継続運転したいとする人もなお20%程度いるものの、大勢はサポカー限定免許に前向きである。
このように事故を未然に防ぐことを含め、安心して任せられる方策があれば、それに移行していくことが、可能なことを示していると考えられる。ただ、現状ではサポカー自体の性能が十分とは言えず、これに乗車しているにも関わらず、重大事故を引き起こしている事例もあるとされており、車自体の信頼性は課題である。今後実装が検討される自動運転機能も期待されるものになるのであろうか。