さくらの丘

福祉に強い FP(ファイナンシャルプランナー)がつづるノートです。

年金支給繰り下げは結局得になるのか? (中)

2021年06月23日 | ライフプラン

繰り下げするとどうなるか?

 さて、ここからが本題。繰り下げることによって、年金受給額が実際にどうなるかを検証しよう。(この後の数字は厚生労働省の2019年度データに基づく)

 

<夫婦共働き世帯> (いずれも65歳以上の平均受給月額、夫婦の場合同一生年月日と仮定)

  (65歳受給開始)

              男性17万1305円 + 女性10万8813円 = 28万118円

  (繰り下げ:70歳受給開始、42%アップ)

              男性24万3253円 + 女性15万4514円 = 39万7767円

  (繰り下げ:75歳受給開始、84%アップ)

              男性31万5201円 + 女性20万216円 = 51万5417円

 

<男性片共働き世帯> (いずれも65歳以上の平均受給月額、夫婦の場合同一生年月日と仮定)

  (65歳受給開始)

              男性17万1305円 + 女性5万772円 = 22万2077円

  (繰り下げ:70歳受給開始、42%アップ)

              男性24万3253円 + 女性7万2096円 = 31万5349円

  (繰り下げ:75歳受給開始、84%アップ)

              男性31万5201円 + 女性9万3420円 = 40万8621円

 

<自営業夫婦世帯> (いずれも65歳以上の平均受給月額、夫婦の場合同一生年月日と仮定)

  (65歳受給開始)

              男性5万772円 + 女性5万772円 = 10万1544円

  (繰り下げ:70歳受給開始、42%アップ)

              男性7万2096円 + 女性7万2096円 = 14万4192円

  (繰り下げ:75歳受給開始、84%アップ)

              男性9万3420円 + 女性9万3420円 = 18万6840円

 

 実際には夫婦の年齢差や就業等で様々なパターンがあり、一律に数字を出すことは難しい。送られてくる「ねんきん定期便」を元に試算することをお勧めする。

 これだけ見れば、受給開始を遅らせることにより、受給額が確実に増えるので、お得感がとてもあるように見ることができる。

(下へ続く)