みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 水に溶ける

2017-04-02 03:28:26 | 日記
久しぶりに友達とその子供に会い、水族館に行った。水族館には小さな熱帯植物園もあって、ディゴの花が咲いていた。オレンジ色の派手な花。堂々と咲いていた。南の島は天国のことと勝手に信じているあたしはなんだか涙が出た。理由は分からない。ただしみじみ綺麗だと思った。あたしは天国にいつか行けるだろうか?干渉をぶち消すように子供があたしの足にまとわりついてあたしはまたクラクラした。まっとうに生きていればあたしも子供がいたのだ。思い出話に花が咲いて、もとは一緒に馬鹿やっていた友人が今や母であたしは何も産み出さずふらふらしている現状の差にただ呆然とした。生暖かかい温室の中ではやっぱり堂々とディゴが咲いていた。水族館は当たり前だけど水がたくさんで、大きなガラスの水槽に囲まれているとあたしも水の中にいるような不思議な気分になった。見ているはずの無数の魚の目があたしを見ているような気がした。貧血みたいに血が引いていく。このままね、水に溶けたらいいのにね、キラキラ光る水に溶けてプランクトンみたいになって食物連鎖に混じれたらいいのにね。妄想の中、手足が水に溶けていくあたしにまた子供が体当たりしてきて我に返った。今度は一人で水族館に行って時間の許す限りぼんやりしてみよう。水に溶けてみよう。そして、そうだな、プランクトンじゃなくてディゴに吸われてみようか。あたしは友達といてもやっぱり一人だった。楽しかったけど実質的には一人を認識させられた。このままね、水に溶けたらいいのにね、

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