みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 花見第2段

2017-04-23 01:33:10 | 日記
今日もふらりと花見に出かけた。ネモフィラという青い花が満開の丘。青い花が大好きなあたしには桜より感動しちゃった。ネモフィラの青と空の青が地上と空の境目をあいまいにする。家族連れが多くて、おいしそうなお弁当を広げる脇を缶チューハイを片手に一人歩いた。自然は強い。あたしの今がどうであろうと関係ないのだ。ふと痛烈にもうわたには会えないのだと理解した。だいたい元カノの連絡にホイホイ乗るような奴ではない。過ぎたものは切り捨てる。だから良いのだ。今のあたしに連絡をとるような男なら執着などしない。矛盾しているけどこれでいいんだ。と理解した。ありがとう、さようならだ、と一面の青にそう呟いた。そしてわたも青が好きだったな、と笑った。覆水盆に還らず。一度壊れた物は二度と修復不可能だ。だからこそ人間は後悔して、慎重とか誠実とかを覚えるんだな、と大概遅すぎる気づきにまた笑った。二本目のお酒を飲んで、風が冷たくなるまでぼんやりと座りこんでいた。何かの雑誌の撮影が行われていてびっくりするくらい顔が小さくて華奢な金髪の女の子がファインダー越しに笑っていた。あんなに可愛くないけどあたしにもあんな頃があったのだ。露出された細い肩やお腹がまぶしい。学生時代あたしもあんなだった。隣にはわたがいて、まだタトゥーマニアじゃないあたしの肌はこの田舎の土地でも惜しみ無く太陽にさらされた。青に、さようならを告げたら全てどうでもよくなったし、やっぱりもうあたしはこれから一人だろう。悲観的ではない。自分で選んだこと。だからやっぱり誰にも迷惑がかからないように仕事を探そう。願わくは花のもとにて春死なむ。か、あたしはきっとネモフィラを求む。奇跡は起こらなかった。それでいい。ありがとう、さようならあたしの最後の恋。

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