オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

古今名婦伝 「更科」

2018-05-13 | 豊国錦絵

更科(さらしな)姫は戦国時代の女性剣士で山中鹿之助の母 

永正16年(1519) - 没年未詳

文久2年(1862)出版  歌川豊国(国貞)絵

 

更科は信州村上家の家老・楽岩寺右馬助(らくがんじうまのすけ)の女(むすめ)にて

同藩相木森之助(あいきもりのすけ)の妻となる

美人にて鼎(かなえ)を揚げ 鈎(かぎ)を伸ばすほどの力量があり

ことに温柔(おだやか)にて貞心堅固であった。

牧島大九郎の横恋慕により不測の禍をかぶせられ

甲斐に護送された夫の後を追った更科は途中で産気づき

身一つにて塩尻山の麓に潜み 一子鹿之助を養育す

その児は後に山中を家號(みようじ)とし尼子十勇士の一人となる

        柳亭種彦記


其角が句に

泥坊や 花の陰にて ふまれたり