経済団体などでつくる「大分にSLを走らせる会」(大分県由布市)は6日、JRの日田‐別府間で蒸気機関車「SL湯けむり号」を7月9日に走らせると発表した。7月5日で2年を迎える九州豪雨からの復興を印象付け、観光振興を図るのが目的。同会によると、JR久大線をSLが走るのは1972年以来、約半世紀ぶりとなる。

 計画では、JR九州から借り受けたSL人吉を使用。客車は3両で、日田‐別府を約5時間半かけて走行する。最後尾からディーゼル機関車が補助する。豊後森機関庫見学など停車駅でイベントも開催する。事業費は約900万円。

 同会によると、久大線ではSLの運行をやめる「無煙化」が70年に完了。72年に例外的に臨時SLが運行されたのが最後だった。同会は、自然豊かな大分を走るSLをよみがえらせたいと、前身団体時代の2010年から復活に向けて活動。今回の運行を機に、県内での定期運行を定着させたいとしている。

 販売は121席で、料金は1席3万2400円。インターネット上で資金を募るクラウドファンディングで5万円以上出資した人にも提供する。