信じられない速さで、この世は流れて行く・・・・・・・・・
この国でも、この街でも・・・・・・・・・・・・
たまにそぞろ歩く荒川の河川敷から見える、東京スカイツリー。
祥一郎がまだ元気な頃に出来たが、一度も行くことは無かった。行こうと思えば行けたのだろうが、そういう話が出なかった。
しかし今はもう行こうとしてもその機会をつくることは不可能。
一緒に行く祥一郎はすでにこの世に居ないのだから。
そして、2020年の東京オリンピック。
私は結構オリンピックが好きで、日本がいくつメダルをとったのと一喜一憂することが楽しみだった。
それを横目に、祥一郎は、
「オリンピックなんて、どこがおもろいん?馬鹿馬鹿しい。」
そう、あいつはオリンピックが嫌いだった。
「ええやろ。年寄りには楽しみが少ないんや。」なんて私は言い返したものだが。
でも、わたしは密かに計画していたのだ。
今度の東京オリンピックの開会式のチケットをなんとしてもどんな手を使ってでも購入して、祥一郎をなんとか説得して一緒に行こうと。
生きている内に、自分達が住んでいる国、街でオリンピックの開会式をリアルで観覧できるなど、
そんなチャンスはそうそう無いはずだから。
高いチケットを二枚買ってしまえば、なし崩し的になんとかあいつを無理矢理引っ張っていけるだろうと。
二人で見る開会式・・・・・・・・・
二人がもっと歳をかさねれば、開会式をこの目で一緒に見たというそれなりの良い想い出になっただろう。
東京オリンピック開催が決まったときからの、私の7年越しの計画だった。
でも、もうその想い出作りの計画は雲散霧消してしまった。
2020年がやってくる5年も前に逝ってしまった祥一郎・・・・・・・・
私がこの話をおくびにも出せずに、あいつは逝ってしまった。
そういえば今年、リオデジャネイロでオリンピックがあるのだった。
私は多分そのニュースに聞き入ることも無く、テレビ観戦すらすることはないだろう。
オリンピックだけじゃない。
やれ新幹線がどこそこまで延長しただの、東京に日本一高いビルが建っただの、誰それがノーベル賞をとっただの、皇室に慶事があっただの、これからもそれなりに市井の人々が心浮き立つ出来ごとがあるだろう。
そういう話しを何気に二人で話題にしたり、新しい施設に祥一郎と二人で行くことはもう無い・・・・・・・
そう、信じられぬ速さで流れて行く世の中を、二人で見ることはもうできないのだ・・・・・・・・・・
そして私はその流れにひとり取り残され、いや敢えて流れに乗ること無く、祥一郎と共に過ごした過去に生きることになるのだろう。
私はある意味、過去の人間になってしまったのだな。
あの20数年が終った時から・・・・・・・・・・・・
祥一郎・・・・・・・・・・・おっちゃんは歳をとっていく。
でも心はお前と暮らしたあの頃に置いたまま、老いさらばえていくんだよ・・・・・・・・・・
この国でも、この街でも・・・・・・・・・・・・
たまにそぞろ歩く荒川の河川敷から見える、東京スカイツリー。
祥一郎がまだ元気な頃に出来たが、一度も行くことは無かった。行こうと思えば行けたのだろうが、そういう話が出なかった。
しかし今はもう行こうとしてもその機会をつくることは不可能。
一緒に行く祥一郎はすでにこの世に居ないのだから。
そして、2020年の東京オリンピック。
私は結構オリンピックが好きで、日本がいくつメダルをとったのと一喜一憂することが楽しみだった。
それを横目に、祥一郎は、
「オリンピックなんて、どこがおもろいん?馬鹿馬鹿しい。」
そう、あいつはオリンピックが嫌いだった。
「ええやろ。年寄りには楽しみが少ないんや。」なんて私は言い返したものだが。
でも、わたしは密かに計画していたのだ。
今度の東京オリンピックの開会式のチケットをなんとしてもどんな手を使ってでも購入して、祥一郎をなんとか説得して一緒に行こうと。
生きている内に、自分達が住んでいる国、街でオリンピックの開会式をリアルで観覧できるなど、
そんなチャンスはそうそう無いはずだから。
高いチケットを二枚買ってしまえば、なし崩し的になんとかあいつを無理矢理引っ張っていけるだろうと。
二人で見る開会式・・・・・・・・・
二人がもっと歳をかさねれば、開会式をこの目で一緒に見たというそれなりの良い想い出になっただろう。
東京オリンピック開催が決まったときからの、私の7年越しの計画だった。
でも、もうその想い出作りの計画は雲散霧消してしまった。
2020年がやってくる5年も前に逝ってしまった祥一郎・・・・・・・・
私がこの話をおくびにも出せずに、あいつは逝ってしまった。
そういえば今年、リオデジャネイロでオリンピックがあるのだった。
私は多分そのニュースに聞き入ることも無く、テレビ観戦すらすることはないだろう。
オリンピックだけじゃない。
やれ新幹線がどこそこまで延長しただの、東京に日本一高いビルが建っただの、誰それがノーベル賞をとっただの、皇室に慶事があっただの、これからもそれなりに市井の人々が心浮き立つ出来ごとがあるだろう。
そういう話しを何気に二人で話題にしたり、新しい施設に祥一郎と二人で行くことはもう無い・・・・・・・
そう、信じられぬ速さで流れて行く世の中を、二人で見ることはもうできないのだ・・・・・・・・・・
そして私はその流れにひとり取り残され、いや敢えて流れに乗ること無く、祥一郎と共に過ごした過去に生きることになるのだろう。
私はある意味、過去の人間になってしまったのだな。
あの20数年が終った時から・・・・・・・・・・・・
祥一郎・・・・・・・・・・・おっちゃんは歳をとっていく。
でも心はお前と暮らしたあの頃に置いたまま、老いさらばえていくんだよ・・・・・・・・・・