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宇奈月温泉のお湯は「つべつべ」のお湯です。普通の温泉のイメージとは少し違うものすごく透明度の高いきれいなお湯です。でも、これがなかなかのお湯。特に今年のような暑い夏には湯上がりのさっぱりしたつるつる、すべすべ感がよくわかります。
実は、このお湯、ずっと上流から引湯しているんです。
元々、上流には、川原からお湯が出るところがたくさんあることは知られていて、江戸時代の文書にも、鐘釣だとか、黒薙のような場所が紹介されています。フォッサマグナの西端、飛騨山脈はまだまだ元気に動いているので、どこでも温泉というのは当たり前かも知れません。黒薙では、100度近いお湯が噴出していてこのお湯を宇奈月温泉に引いているんです。
今は安定して60度くらいのお湯が宇奈月温泉までやってきていますが、この引湯が大変でした。
黒部峡谷の開発は、豊富な水を使った電源開発から始まりましたが、同時にたくさんの人をこの峡谷に招き入れる観光開発も進められていました。黒薙までお客さんを運べればいいのですが、大変険しい場所にあり、たくさんの方を運ぶには限界があります。
そこで目をつけたのは、当時桃が咲き乱れることから桃原と呼ばれていたウナズキ平です。
さまざまな知恵を凝らしてようやくここまでお湯を引き入れることに成功しました。
このきれいなお湯はちょっとだけ旅をしてきているんです。それでも、十分な温かさ。きれいなお湯は、もしかしたら黒部の清流と関係あるのかもしれませんね。
ぜいたくに、駅前では噴水になって吹き出しています。
黒部峡谷宇奈月温泉公式サイトの記事です。