モーツァルト@宇奈月

湯の街ふれあい音楽祭 モーツァルト@宇奈月
scince2010年秋。毎年9月に音楽祭を開催しております。

黒部混声合唱会さん

2011年09月25日 | 演奏

人の声ってすごいですね。合唱という演奏には、オーケストレーション(響き合い)ということばがとても似つかわしいと思います。

黒部混声合唱会のみなさんの演奏は、宇奈月ニューオータニホテルのレストランけやきで行いました。背景に黒部峡谷の大自然を抱えて、まるで、一本の木々が歌い出したかのような響きを聞かせていただきました。

ここは独特の空間ですよね。

入り口から一段下がっているので、こうやって黒部川を見下ろすような視線がとれるのもいいですし、上に響き上がってくる声に聞き入ることもできるんです。

背景の赤い橋は新旧の山彦橋です。

峡谷の奥に吸い込まれていくような歌声が印象的にいつまでも響き続けていました。

本当に人の声ほど豊かなものはないですね。

ここは実は写真が撮りにくいのです。みなさんの顔に露出を合わせると背景が見えなくなりますし、逆だと顔が見えません。

でも、人の目はすごいもので、両方をちゃんととらえてしまいます。人の感覚があるから、人の体があるから生み出せるのも、音楽のすばらしさかも知れません。


沢田保奈美さん

2011年09月25日 | 演奏

沢田保奈美さんの演奏は、オーストリア公使や堀内市長のトークセッションの直後。

難しい時間帯ですが、ピアノソロを自信たっぷりにしっかりと聴かせていただきました。

小ホールがぎっしりで、お客さんもとても聞き入っていてすばらしい演奏会になりました。

沢田さんは、同じ日に演奏されたホセンゼルスさんと同じ保育専門学校に在学中です。

演奏後のロビーがまた賑やかでした。

演奏を終えてリラックスした沢田さんと、演奏に感動したお客さんたちとの様子がまたひとつ沸き立っていました。

こういう舞台を用意できたことをうれしく思います。

ほんと、ちょっとしたリサイタルみたかったんですよ。

スペシャルコンサートの直前だったので、耳が肥えたみなさんもずいぶんいらしていたようです。素晴らしい演奏でした。

 


宇奈月モーツァルト音楽祭メニュー@カフェ・セレネ

2011年09月25日 | 関連イベント

カフェ・セレネは、宇奈月温泉の中でも少し高いところにあり、窓の外が山や空の色に染まる静かな場所です。淡い光に包まれた空間は昼に夜に、落ち着ける場所ですね。

無線LANがつながるので、実は、ブログの多くはここから書いていました。

音楽祭期間中は、スペシャルメニューが追加されていました。

ザルツブルクは、オーストリア公使も話しておられましたが、大変スィーツがおいしいところだそうで、カフェのラインナップもそんな感じです。

ザッハトルテは、オーストリアの有名なチョコレートケーキ。ホテル・ザッハーで作られたとか。

カーディナルシュニッテンはオーストリアのお菓子でも最もポピュラーなものだそうで、日本なら羊羹でしょうか。(そうかなあ。でも四角いし)

プリンはたぶんオーストリアに由来しているわけではないので、きっとモーツァルトに何か由来していたんでしょうね。あ、「なめらかな感じ」が曲調に合っている。そういうのもいいわけですね。了解。大好物ですが、食べそびれました。横で食べていた人がいたな。

 

 


篠笛アンサンブル風(ふう)

2011年09月25日 | 演奏

篠笛ってご存じですか。和楽器で、木管楽器のひとつです。フルートと同じように音を出します。「陰陽師」で笛の名手が出てきますが、あっちは同じ竹笛ですが、装飾が施されていて「龍笛」(りゅうてき)などと呼ばれています。お能に使うのもちょっと高級なものですね。

篠笛はもう少し庶民的で、竹の素朴な風合いを残しており、とてもシンプルな楽器です。楽屋で写真を撮らせていただきました。

袋がいいですね。味わいがあります。

これがモーツァルトを奏でるのですから、驚きです。

演奏は最後の街角コンサート。数々の演奏を提供してきたいっぷく処です。

同じ建物ある足湯では、スペシャルコンサートを終えた演奏家のみなさんがくつろいでいらっしゃいます。どんなふうに聞こえるでしょう。

どうしてこのコンサートに参加したのか、どんな曲をやろうとしているのかについてお話がありました。

実は、最終日のぎりぎりエントリーだったんです。偶然ラジオで知ったとのことで、メンバーに確認する間もなく、とにかくエントリーしてそれから最終決定されたようです。

モーツァルトのレパートリーがあったわけでなく、エントリーから曲を選んだとのこと。もちろん、モーツァルトは生涯にわたって篠笛など見たこともなかったと思いますし、専用の楽曲はなく、フルートでは音域が足りません。どうしても既存の曲のアレンジが必要です。

風さんたちは、いろいろ迷った末に、ケッヘル1番と2番を選ばれました。いいですね。お話に引き込まれました。

これが当日の演奏曲です。

風、この音楽祭でもしばしば口にしてきました。響きが風になる。

風は目には見えません。何かを動かしたとき、初めて風を感じます。体かも知れませんし、ものかもしれません、あるいは、心かもしれません。この音楽祭でモーツァルトが風になって残ればいいなと思っていただけに、風(ふう)さんの演奏は、そのまま峡谷のなかに留まって流れていくようでした。

翌日、お泊まりになっていたホテルの朝のお散歩ツアーで、遊歩道で演奏されたようです。すばらしい響きでした。どこにでももっていける楽器というのはいいですね。いつでも、風を生むことができます。

よい風に吹かれて、みんなとても気持ちよくなりました。

会場には、やはり同じように篠笛の愛好家の方がおられたようで、いろいろ話をしておられました。そんな出会いとつながりを生むのも、音楽祭の役割のひとつと考えていましたから、うれしい風景でした。

春日井からおいでになったと聞きました。直後に台風の被害があったようですが、みなさんのおすまいはどうだったのでしょう。少し心配をしています。

 

 


フィガロの結婚饅頭

2011年09月25日 | 関連イベント

美味しいモーツァルトのひとつが、酒井菓子舗さんのその名も「フィガロの結婚」饅頭です。

「こしひかりまん柔」という結婚式の引き出物などによく使われるお饅頭をオーストリアにちなんでアレンジしてあります。「

こしひかりまん柔」は、中に栗が入っているものとブドウが入っているものをセットにして、子宝などを表した縁起物にするんだそうです。

このブドウをマスカットにして、さらに、オーストリアの貴腐ワインで味付けをして、今回、フィガロの結婚と名付けてスペシャルメニューにしました。

貴腐ワインというのは、ある種のカビが付くことで糖度が増し、香りも強くなったブドウを使って作られたワインのことです。大変甘口のワインだそうで、フォアグラなどと食前に飲むのが、なかなか高級感のあることのようです。(飲んだことありませんが)

ブドウ自体は、およそ腐ったように見えるので、逆にそれが素晴らしいワインになるというので「貴腐」というようです。ドイツ語では、エーデルフォイレ (Edelfäule)というそうです。

人間って何でも試してみるんですね。ハンガリーで偶然収穫期を逸して腐ったブドウから作ったのが最初だそうです。

ワインは黄金色に輝いて見えることから、マリア・テレジアがウィーン大学で分析させたという逸話もあるようです。ということは、モーツァルトも飲んだ可能性が高いですね。マリア・テレジアの娘が、ルイ16世のお后だった、マリー・アントワネットですし、モーツァルトが求婚した逸話も有名ですし。もしかすると、ウィーンで御前演奏した際には、あ、無理か。モーツァルトはそのときまだ子どもです。

でも、けっこう飲んだくれになったそうですから、きっと味わったに違いありません。どの楽曲かは、貴腐ワインで生まれたかも知れませんよ。