子ども達が自立した後どうするかを考え始めた頃は、別荘地の中古別荘を安く買うことを考えていました。
田舎への移住とかIターンとか調べていました。
「田舎では別荘が手付かずで二束三文で売られている」というような情報も見ていたので安く買って手入れをしながら暮らすことを夢見ていました。
広い土地で花を植えたり畑を作って土いじりをするのも楽しみでした。
四季の変化や植物の成長を見てゆっくり流れる時間。
お金をかけず細々と日々を暮らすイメージです。
移住は地元の社会に溶け込めない、受け入れられないなどの意見も散見され、別荘地なら良いのでは?と思いました。
地元民ではない外部の人がまとまった数いる場所という意味でも別荘地は良いように感じました。
薪ストーブにも憧れていました。
火を見ながら過ごす夜などを想像すると「なんて良いんだ!」と浮かれていました。
車でも2時間半位だしということで数軒見にも行きました。
実際見てみると(私の見た)別荘地は山の中で畑という感じではありませんでした。
土地はあるにはありましたがちょっと違う。
色々調べて「難しいかもしれない」と一番感じたのが「薪集め」です。
YouTubeなどで見てみると、生活に使おうと思ったら結構な量が必要です。
薪の調達がそもそも大変とのことでした。
情報通であちこちで出た木材を譲り受けて、みたいな話も見ましたが私には到底無理そうでした。
いい薪にするには何年か乾燥させないといけないらしいし。
薪割りだってかなりの体力勝負。
憧れの薪ストーブは年配女の一人暮らしには無理があると認めざるを得ませんでした。
よくよく調べると別荘地は管理料も必要だったり、避暑地として作られているので一年を通して暮らせるような仕様になっていないことも懸念点でした。
子ども達が家に来ようと思った時に、やはり大変な場所は避けたいところです。
できれば気軽に来れるような場所にしておきたい。
ポツンと一人で暮らしていると何かあった時に危ないし、そこで暮らしていける自信も無く断念しました。
でも、静かな田舎でそこそこの広さがある土地で仙人のようにひっそり暮らすことを諦めてはいません。
いつ何時どうなるかわかりません。
かつて最初の家を買った時には、もう一回家を買うことになるとは夢にも思いませんでした。
そもそも老後とはいつのことなのでしょう。
「老いた後」という意味であれば、もう私の「老後」は始まっています。
認知力は低下しているし、老眼も進んでいて腰も痛い。
年配者のような扱われ方をされているように感じることも増えました。
でも、好きなことだけをして暮らしていけるほど経済的余力はありません。
ここからが老後といったようなキッパリしたものではなく、徐々にそれなりの生活に落ち着くのかもしれません。
最近は今までとは気持ち的にも変わってきています。
自分にフィットした老後を探っていきたいと思います。