旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

欲望

2011年04月26日 20時29分12秒 | Weblog
労働時間が正確に定められているにもかかわらず意外に達成感がある職場を得て2年になろうとしている。ようやく規則正しい生活にもなれてきた。給料は自分の足と才覚で稼ぎだすという「営業魂」はどこかに吹っ飛んでしまったようだ。あの日々は熱かった。積み重ね、そして過ぎ去った30年余りを思い起こして胸が震えることもある。

休日だけが楽しみな人間になり下がってしまった。達成感を感じることができる仕事だから休日はしっかりと休養したい。私にとっての休養は菜園の野菜たちの面倒をみること、読書に公園巡り、ぽけーっと海を眺めること、「愛犬ごんた」との散策、都会の探索くらいのものだから総体的に安あがりだ。安上がりな生活になれてくると欲望が減退してくる。

これではいけないと考えを巡らせてみる。めらめらと燃えるものがないと人生はつまらない。何に心を燃やすか、それが問題だ。最近若い女性ふたりから「はやとさんって、若いころはもてたでしょうね。」といわれて驚いた。もてていたのかいなかったのか、それは本人が一番良く知っている。さっぱりだった。

むかしなら「なんでそんなことを聞くんね。」とちょっかいをだして口説きに回っていたにちがいない。さっぱりだったから、恋愛戦線では片っぱしから口説きまわすより生き延びる道はなかった。昨今ではこういう場面では、「もてていたでしょうねかあ。」とうれしい言葉に酔いしれ、ある種の感慨にふけるのみだ。しかし、しばらくして冷静に考えてみる。「なに、若いころはだと、じゃ今はいったいどうなんだよ、もてないということか。」こんなぶざまさだから「恋の季節」はもう終わってしまったのじゃないかと思う、でもないようにも思う。「欲望」や「めらめらと燃える感情」どころの話じゃない。