人間生命は本来、善なのか悪なのか、性善説、性悪説の二説あるが、釈尊は「善悪無記」と説き、生命現象は善にも悪にも顕われるものであり、善とも悪とも断定していない。また、法華経を解説した天台大師は、縁に応じて顕われる生命現象を「一念三千の法門」として説いた。
かつてニューヨークのある動物園に、世界で最も危険な動物と表示された場所があり、そこに立つと、大きな鏡が置いてあり、自分自身の姿を見られる。人間は心の変化一つで殺人を犯す動物でもある。
トインビーは、人間生命の中で善の生命と悪の生命が常に戦っており、人類の歴史は、挑戦と応戦の歴史であったという。そして、人間生命の内側に善の生命(仏)を見る東洋仏法に期待するともいっている。
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