民主主義政治とは、戦い続けて維持されてゆくものなのであろう。民主主義の原型ともいわれた古代ギリシャのアテネの時代、最も長く民主政体を維持したとされる指導者ペリクレスの時代のことを、歴史家のツキデイデスは、多数決で全てが決定する政体を維持しながらも、「形は民主政体だが、実際はただ一人が支配した時代」ともいっている。事実、ペリクレスの30年間は努力と苦労の連続だった。 . . . 本文を読む
池上彰、半藤一利の両氏による「令和を生きる」(平成の失敗を超えて)と題した興味深い両氏の対談が文庫本にあった。そこには、日本のバブル景気が最高潮に高まった年、平成元年の年末に日本では最高株価3万8915円を記録したことも書かれている。世界では、この平成元年(1989年)は、6月に中国で天安門事件が起き、その5か月後の11月にベルリンの壁が崩壊した年でもあった。すなわち日本では昭和64年(1989年)に昭和天皇の崩御があり、元号が平成に変わり、間もなくバブルもはじけて、日本は内向きになり、世界の動乱に目を凝らして考えるどころではなかったとも述べられている。
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