「武士道」というと、封建時代を支えた忠君主義を中心とした精神論であり、前近代的な発想と感じてしまう。また、太平洋戦争の時期にも、武士道は軍国主義の中心的な精神とされ、欧米列強諸国に追いつくために、忠君愛国を立てて軍国主義者たちに利用されていたのも確かだ。実のところ軍国主義者たちは武士道を軽視していた面もあった。しかし、あの近代合理主義思想の上に立った福沢諭吉は、武士道精神を「国家国民の要となった精神」と論文の中で絶賛しており、欧米列強と肩を並べるまでになった近代日本の躍進を支えたのが、日本人に流れる武士道精神であったとまで書いている。
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