なぜ極東のたった1つの神社を巡り、諸外国も巻き込んでこれほどの騒動が起きるのか。報道では日本と中国・韓国との間に横たわる歴史認識問題や、東アジア情勢の安定を求める米国の懸念などが、その要因としてクローズアップされている。靖国神社とはどんな神社なのか。首相がそれを参拝することは、何故ダメなのか。その歴史は明治時代に遡る。同神社はもともと「東京招魂社」という名称で、1869年(明治2年)に明治天皇の命により創設された。10年後の1879年(明治12年)に靖国神社と改称された。当初は戊辰戦争による戦死者を合祀することなどから始まり、明治維新の志士をはじめ、米国東インド艦隊司令官・ペリーが来航した1853年(嘉永6年)以降の国内戦乱に殉じた人たちを、合わせて祀る場所として機能した。没者は「英霊」と称され、その数は246万6000余柱に上る。
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