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TICAD Ⅵ

2016-08-20 08:50:51 | 日記
第6回アフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)がケニアの首都ナイロビで9月27日・28日に開かれる。

アフリカ開発会議(TICAD)とは、アフリカの開発がテーマの国際会議で、1993年より日本で5年毎に開催され、今回から3年毎になり初のアフリカ開催ともなった。当初は国家間の援助から日本企業を巻き込んだ投資への変化し、日本政府によるインフラ開発融資だけでなく日本企業自身の投資による現地への進出を通じた開発を進めようとしている。

多くの商社やメーカーは、日本政府の開発資金を元にした現地のインフラ開発(鉄道、港湾、発電、通信等)の受注を目指しており、まだまだアフリカを市場として現地の生活に密着した取り組みは限定的と言えるかもしれない。

この10年、アフリカへの投資では中国が先行してきた。さらにTICADを追うように同様の会議を3年毎に開催し、国としての影響力を強めようとしてきた。ただし、中国の場合、インフラ開発への融資とパッケージで、インフラの構築を中国企業で受注し、さらに現地での作業までも中国人を連れて来たり、構築後の運用までも全て中国人で行うなどしていた。現地の雇用に寄与せず、インフラの利用料を取られていくなど、国内に中国の治外法権と権益だけだ残る形となり、一部アフリカの国ではその反省から中国からの投資に警戒感をもっている。しかし、まだまだ国としてインフラが整わない国々は、リスクがわかっていても目の前の成果のために巨大なチャイナマネーを無視することはできず、さらには日本と中国を競わせて、より良い条件を日本から取りたいという本音も見て取れる。

アフリカ54ヶ国への投融資や進出が進んだ一方、地域としてのリスクも明らかになり、撤退や事業を手控える企業も増えている。資源価格の下落による現地経済の停滞、エボラ出血熱の流行などの感染症拡大、テロ多発による安全性への懸念拡大など、これらがビジネス拡大を阻害している。

今すぐに大きな市場がアフリカで出現するものではないが、20年30年先を見据えてた戦略的投融資ができるチカラを持っているのも日本政府であり、長期的で地道な取り組みは必ず国際情勢において日本の味方になるであろう。このためにも、優先順位と戦略的投資分野を決めて、毎年着実に成果が見える形で進めるべきだろう。官庁が自分の成果だけに囚われると、大局的な流れを見失い、企業に無理な負担をさせるだけとなる。結局は、まだまだ官僚の腹一つであることには変わらない。新しいスキームを考えていること、官民一体で真面目に取り組んでいることは理解しており、是非日本の底力が見えるようにもう一工夫考えてもらいたい。

※筆者は、TICADに参加したこともアフリカ担当でも、ましてや政府関係者でもなく、直接的な受益関係にはありません。