夕焼けと目黒川
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執筆系の仕事は年に10本+α
というと
ある人たちには
何も言わないとそういうことになってしまう
もっと強気に出たほうがいい
自己主張すべきだ
とものすごいお荷物を背負わされているかのように
あるいは足元を見られてすごく損しているかのように
反応されることがある
確かに
日々の講義にその予習や添削などなど
「本業」の講師業に加えて
原稿を10本書くというのは大変なことだ
そして実際
通常授業の間に
原稿書きが3~4本同時に来てしまったり
監修作業がそこに入り込んだりしてしまうと
さすがに「脳みそ麻痺」状態に陥ることもある
しかも
原稿書きはかけた時間と労力の割りに
対価はそれほどよくないと来ている
もっと効率的に多くを稼ぎたいなら
同じテキストを使うクラスを数多く教えることだ
でも
わたしにとっては
執筆系の仕事はお荷物ではないし
いやいややっているわけでもない
むしろ
自分の可能性を少しずつ広げてくれる
格好のチャンスだと思っているし
同じ組織に属しているのに
普段めったにお目にかかれない方たちと
つながりを持てる大事な場でもある
走っているときみたいに
あるいは山登りしているときみたいに
途中は息も苦しく足取りも重く
倒れてしまうかも・・・
なんて思うこともある
次からは引き受けるのやめたほうがよいかしらん
そんな弱気が胸をふっとよぎることもある
でも
やっぱりもったいなくてやめられない
その先に見える景色が想像できるから
終わった後の爽快感を知っているから
今回のこの1本を書き上げたら
どこまで来たと感じられるんだろうか
とか
今回こそは編集さんに迷惑をかけずに仕上げたい
とか
つまらない目標かもしれないけど
そんなことをただただ楽しみに
取り組むだけなのである
以前は「できる女」
を目指して無理していた時期もあったけど
それよりも「楽しむこと」を覚えた今は
人生ちょっと得した気分になっている