黒絹睫毛 宇佐美 游 講談社 2002-04 売り上げランキング : 496178 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
近所の古本屋さんで見つけた本書。
大正モダン風の表紙に惹かれたのですが
タイトルの意味はまったくわからず。
内容についてもまったく先入観がないまま読み始めてびっくり。
主人公・雪乃は15歳の女の子。
容姿に自信あり!
高校に入学したことで新しい自分、
人気者の人生を始められると思っていたら
同じクラスにとんでもない美女・秋谷絹子が!
一気に人気者の座を奪われた雪乃だが
憎らしいはずの絹子に対する感情は複雑。
絹子の睫毛の美しいこと、制服の着こなしが清楚にみえること、
靴や鞄などの持ち物や笑い方など、徐々に徐々に絹子の真似をする雪乃。
絹子になりたい雪乃。
この感情は、恋?
病的なまでに思い詰め、自殺まで図ってしまう雪乃の気持ち、
思春期だったらあり得るかも。
相手の気持ちを思いやることなく、自分の気持ちを優先させた、
あくまでも、自己中心的な傲慢な顛末。
小さくも大きくも他人を傷つけ、その返す刀で自分をも傷つけ
それこそ後で振り返って顔から火の出る思いを繰り返し
人間は成長していくものだと思うけど、命だけはね、
命だけは大切にしようよ。