鎌倉時代から続く対馬の宗家
対馬の地理的特徴とその名前から
大陸、あるいは半島出身かと思ったら
もとは惟宗という大宰府出身の官人だったらしい。
朝鮮貿易の窓口として
江戸幕府からも朝鮮国王からも優遇された宗家
山ばかりの対馬で水田もほとんどないのに
10万石格として遇されたのだとか。
そんな宗家の菩提寺「万松院」。
日本3大墓地だそうだ。
百雁木と呼ばれる石段の上に10代~32代までの墓所である「御霊屋(おたやま)」がある。
ちなみに、秋に行われる万松院まつりでは
石段の灯篭にろうそくが灯され
それはそれは幽玄だとか。
市民はちょうちんを手に灯篭の明かりのなか
石段を登り「御霊屋(おたやま)」におまいりするそう。
この時期、蛍も見られるのだとか。
石段の途中と「御霊屋(おたやま)」に大きな杉の木があって
これまた特別なパワーがみなぎる場所のような感じ。
万松院の本堂はこじんまりしているが
見所は満載。
朝鮮国王から贈られた花瓶、香炉、燭台が無造作に置かれている。
韓国時代劇ドラマで出てくるようなものを
しかも本物をこんなに間近で見られるなんて感激!
本堂に掲げられている「萬松精舎の額」は、後水尾天皇の第三皇女の鏡の宮直筆だそうだ。
女性の筆跡とは思われないほどの力強さの中に
女性らしさが見られる。
「松」の字がちょっと変わっていて
「木」の下に「公」があり
末広がりのめでたい字。
宗家の繁栄を願ってのことだそうだ。
このほか、徳川歴代将軍の位牌や「閑古鳥が鳴く」の語源となった諫鼓などがあり
見所満載の万松院なのであった。