経営難から身売り交渉を進めてきた米証券4位のリーマン・ブラザーズは15日、自主再建を断念し、連邦破産法11章に基づく会社更生手続きの適用を申請したというニュースが飛び込んできた。
一方、米銀行2位のバンク・オブ・アメリカは同日、米証券3位のメリルリンチを救済合併することで合意したと発表したという。
低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題に伴う昨年夏以降の混乱は、米金融業界の大型再編に発展した。
リーマンは14日、身売り先として最後まで有力視されていた英バークレイズから、買収を断念したと通告された。バンク・オブ・アメリカも一時、リーマン買収を検討したが、公的資金投入など米政府による支援が得られなかったため、メリルの買収に方針を転換した。それが引き金となって法的整理に追い込まれた。
バンク・オブ・アメリカによるメリルリンチの買収総額は約500億ドル(約5兆3000億円)。2009年3月までに合併を完了させる予定だ。
メリルは4~6月期まで4四半期連続で赤字を計上し、今回のリーマンの経営危機に連鎖し、株価が急落していた。このため、バンク・オブ・アメリカに救済してもらう形になる。米国3位4位の証券会社をもってしても、サブプライムローンという時限爆弾というか地雷を踏んでしまっては一溜りもなかったようだ。もちろんこればかりでなく、不動産投資で儲けようとし、屋台骨をぐらぐらにしたトップの責任は思い。
米大手銀行・証券が破産法の適用を申請するのは異例のことで、身売り先が見つからず、自主廃業を迫られた日本の山一証券と似た状況に追い込まれたといえる。無論規模が違いすぎるけれど。
3月に事実上、破たんした米証券5位のベア・スターンズに続き、半年間で3社の大手証券が 淘汰 ( とうた ) にさらされる異常な事態となった。
米国の経済不安は、そのまま日本経済に暗い影を落としているということになる。日本はその米国の紙くず同然になった国債を、引き受け続けている。