ソマリア暫定政府に軍隊を出していることに反発している反政府組織の犯行か。
国際救援団体「世界の医療団」(MDM、本部・パリ)は23日、エチオピアで活動していたスタッフ2人が誘拐されたと発表した。仏ラジオRFIは24日、うち1人は日本人だと伝えた。MDMはスタッフの国籍や名前を明らかにしていない。二人は中立性を強調するため武装警官の護衛はつけていなかったという。
MDMは緊急の対応組織を立ち上げ、誘拐された2人の家族と連絡を取っている。責任者は「人々の安全のため、国籍などは明らかにできない」と発表している我、2人のうち一人は日本人だと伝えられている。
AFP通信はソマリア警察当局者の話として、2人がソマリア中央部に連れていかれたと報じた。
誘拐した集団の詳細は不明だが、オガデン地方はソマリア系住民が大半を占め、エチオピアからの独立を訴える「オガデン民族解放戦線(ONLF)」などの反政府勢力が政府軍と衝突を繰り返し、治安はよくない。ONLFは24日、「オガデン住民の苦難を増やすだけだ」と今回の誘拐を非難する声明を出した。
エチオピアがソマリア暫定政府に軍を派遣していることに反発した、ソマリアのイスラム系武装勢力による犯行との見方もある。ソマリアでは最近、身代金目的の外国人誘拐事件が頻発し、8月下旬からカナダとオーストラリアの記者が誘拐されているほか、22日にはドイツ人が数日間拉致された末に解放されるという事件がおきたばかりだった。