【獅子吼996号】 2022年4月号 主宰24句
今は昔の 大野鵠士
流寓の肩寄せ合ふか浮寝鳥
・季語 浮寝鳥/三冬 水鳥の傍題
・流寓 住むべき所がなくてあちこちさすらうこと。
髭揺らぐとも寒鯉の揺るがざる
・季語 寒鯉/晩冬
寒月の兎よここへ来て眠れ
・季語 寒月/晩冬・・・冬の月よりも一段と冷厳な月
蝋梅のマスクを透ける香なりけり
・季語 蝋梅/晩冬
行くあてのあるが如くに梅探る
・季語 梅探る/晩冬 主季語は「探梅」
・「梅の花」も「観梅」も春の季語だが、春に先駆けて開く梅を探して山野に入る事を「探梅」と言い、
区別して冬季の季語とする。その他の傍題として「探梅行」「春の便り」がある。
立春や弓手しきりに招く猫
・立春/初春
・弓手(ゆんで)・・・弓を持つ方の手、左手 ※反意語 馬手(めて)馬の手綱を持つ手、右手
まほろばに住めば都の春寒し
・季語 春寒し/初春 春寒の傍題
・まほろば・・・美しい自然に恵まれたすばらしい所、まほら
春寒や芝居撥ねたる鰊そば
・季語 春寒/初春
皺もまた生きたる証魚は氷に
・季語 魚は氷に/初春 主季語は「魚氷に上る(のぼる)」
櫂先の反りの鋭き余寒かな
・季語 余寒/初春
・櫂先・・・茶道に使う茶杓の先端(という事を後から知りました)
搦手に水門残りゐる余寒
・季語 余寒/初春
・搦手・・・城の裏門。敵の背面。転じて、相手の攻めやすい側面。(反意語 大手)
初諸子戦の近江戦国志
・季語 初諸子/三春 主季語は「諸子魚(もろこ)」 鯉科の淡水魚
葉牡丹に清めの塩か牡丹雪
・季語 牡丹雪/初春 主季語は「春の雪」
革命も血を流すまじ涅槃雪
・季語 涅槃雪/仲春 主季語は「雪の果」
・降りじまいの雪。春となって降る最後の雪をいう。関東から関西の辺りでは三月の半ばから終り頃。
陰暦二月十五日の「涅槃会」の頃となるので、涅槃雪ともよんでいる。
出囃子の聞こえてきたり春霙
・季語 春霙/三春 主季語は「春の霙(みぞれ)」
若狭にてお水送りをしたるらむ
・季語 若狭のお水送り/仲春 ※三月二日
・福井県小浜市の神宮寺境内から汲み上げられた水を奈良へと送る神事。二月堂のお水取り行事に使用。
貸本屋今は昔の逍遥忌
・季語 逍遥忌/初春 ※岐阜県生まれの坪内逍遥の忌日(二月二十八日)
春泥にブルドーザーの轍あり
・季語 春泥/初春
・春のぬかるみのこと。春雨、凍解け、雪解けなどにより人の通り道にできる。
ウイルスに節操もなく冴返る
・季語 冴返る/初春
・立春を過ぎてようやく春めいた頃、再びぶり返した寒気のこと。
今日もまた同じ所に蜆舟
・季語 蜆舟/三春 主季語は「蜆取」
天翔けて佐保姫来たる光かな
・季語 佐保姫(さおひめ)/三春
・平城京の東にある佐保山の神で、春の野山の造化を司る女神とされる。(⇔竜田姫)
春光や出来ざる事と出来る事
・季語 春光/三春
天金の鈍き光よ春埃
・季語 春埃/三春
・天金・・・洋装本で、上方の小口(こぐち)に卵白・ニスなどを用いて金箔を貼り付けたもの。
マカロニもパスタのひとつ春の鳥
・季語 春の鳥/三春
今は昔の 大野鵠士
流寓の肩寄せ合ふか浮寝鳥
・季語 浮寝鳥/三冬 水鳥の傍題
・流寓 住むべき所がなくてあちこちさすらうこと。
髭揺らぐとも寒鯉の揺るがざる
・季語 寒鯉/晩冬
寒月の兎よここへ来て眠れ
・季語 寒月/晩冬・・・冬の月よりも一段と冷厳な月
蝋梅のマスクを透ける香なりけり
・季語 蝋梅/晩冬
行くあてのあるが如くに梅探る
・季語 梅探る/晩冬 主季語は「探梅」
・「梅の花」も「観梅」も春の季語だが、春に先駆けて開く梅を探して山野に入る事を「探梅」と言い、
区別して冬季の季語とする。その他の傍題として「探梅行」「春の便り」がある。
立春や弓手しきりに招く猫
・立春/初春
・弓手(ゆんで)・・・弓を持つ方の手、左手 ※反意語 馬手(めて)馬の手綱を持つ手、右手
まほろばに住めば都の春寒し
・季語 春寒し/初春 春寒の傍題
・まほろば・・・美しい自然に恵まれたすばらしい所、まほら
春寒や芝居撥ねたる鰊そば
・季語 春寒/初春
皺もまた生きたる証魚は氷に
・季語 魚は氷に/初春 主季語は「魚氷に上る(のぼる)」
櫂先の反りの鋭き余寒かな
・季語 余寒/初春
・櫂先・・・茶道に使う茶杓の先端(という事を後から知りました)
搦手に水門残りゐる余寒
・季語 余寒/初春
・搦手・・・城の裏門。敵の背面。転じて、相手の攻めやすい側面。(反意語 大手)
初諸子戦の近江戦国志
・季語 初諸子/三春 主季語は「諸子魚(もろこ)」 鯉科の淡水魚
葉牡丹に清めの塩か牡丹雪
・季語 牡丹雪/初春 主季語は「春の雪」
革命も血を流すまじ涅槃雪
・季語 涅槃雪/仲春 主季語は「雪の果」
・降りじまいの雪。春となって降る最後の雪をいう。関東から関西の辺りでは三月の半ばから終り頃。
陰暦二月十五日の「涅槃会」の頃となるので、涅槃雪ともよんでいる。
出囃子の聞こえてきたり春霙
・季語 春霙/三春 主季語は「春の霙(みぞれ)」
若狭にてお水送りをしたるらむ
・季語 若狭のお水送り/仲春 ※三月二日
・福井県小浜市の神宮寺境内から汲み上げられた水を奈良へと送る神事。二月堂のお水取り行事に使用。
貸本屋今は昔の逍遥忌
・季語 逍遥忌/初春 ※岐阜県生まれの坪内逍遥の忌日(二月二十八日)
春泥にブルドーザーの轍あり
・季語 春泥/初春
・春のぬかるみのこと。春雨、凍解け、雪解けなどにより人の通り道にできる。
ウイルスに節操もなく冴返る
・季語 冴返る/初春
・立春を過ぎてようやく春めいた頃、再びぶり返した寒気のこと。
今日もまた同じ所に蜆舟
・季語 蜆舟/三春 主季語は「蜆取」
天翔けて佐保姫来たる光かな
・季語 佐保姫(さおひめ)/三春
・平城京の東にある佐保山の神で、春の野山の造化を司る女神とされる。(⇔竜田姫)
春光や出来ざる事と出来る事
・季語 春光/三春
天金の鈍き光よ春埃
・季語 春埃/三春
・天金・・・洋装本で、上方の小口(こぐち)に卵白・ニスなどを用いて金箔を貼り付けたもの。
マカロニもパスタのひとつ春の鳥
・季語 春の鳥/三春
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