【獅子吼997号】 2022年5月号 主宰24句
春灯の器 大野鵠士
春暁やゆらぎゆらげる白湯の湯気
・季語 春暁/三春
浮上してみればもう春鳰
・季語 春/三春
・鳰(かいつぶり)
なかんづく花の兄煽る疾風かな
・季語 花の兄(はなのえ)/初春 梅の傍題
日本のリズムに鳴けり匂鳥
・季語 匂鳥(においどり)/三春 鶯の別名
吹く風に皺もやはらか水温む
・季語 水温む/仲春
朝寝してブランチとなる目玉焼
・季語 朝寝/三春
唇に一筋刻み海苔の美女
・季語 海苔/初春
コンテナの上にコンテナ草萌ゆる
・季語 草萌ゆる/初春 「下萌」の傍題
城垣に春一番の体当り
・季語 春一番/仲春
・城垣(じょうえん)
絵踏なほ今も昔のことならず
・季語 絵踏/初春
荒東風をひねもす城の鯱泳ぐ
・季語 荒東風(あらごち)/三春 「東風(こち)」の傍題
みづがねの空しろがねの山雪解
・季語 山雪解(やまゆきげ)/三春 「雪解(ゆきどけ、ゆきげ)」の傍題
・みづがね・・・水銀
緩みたる胸のボタンよ卒業期
・季語 卒業期/仲春 「卒業」の傍題
鉄橋の下潜りけり初燕
・季語 初燕/仲春 「燕」の傍題
春陰やこけしの眉は憂ひ帯び
・季語 春陰/三春 曇りがちな春の天候
足下にさしも草あり伊吹山
・季語 さしも草/三春 「蓬(よもぎ)」の傍題(別名)
木瓜咲いて俳句は二流こそよけれ
・季語 木瓜(ぼけ)咲く/晩春 「木瓜の花」の傍題
青といふ余白ありけり春の空
・季語 春の空/三春
パセリ一摑み弥生の森をなす
・季語 弥生/晩春 陰暦三月の異称。ほぼ陽暦四月にあたる。
開かれて海の真青や春障子
・季語 春障子/三春
掌に広がる野の香蓬餅
・季語 蓬餅/三春
声おぼろ翁の顔は髭の中
・季語 おぼろ/三春 朧・・夜の季語、昼は霞
春灯の器となりぬ終電車
・季語 春灯/三春
ときめきに身を浸しては花を待つ
・季語 花/晩春
春灯の器 大野鵠士
春暁やゆらぎゆらげる白湯の湯気
・季語 春暁/三春
浮上してみればもう春鳰
・季語 春/三春
・鳰(かいつぶり)
なかんづく花の兄煽る疾風かな
・季語 花の兄(はなのえ)/初春 梅の傍題
日本のリズムに鳴けり匂鳥
・季語 匂鳥(においどり)/三春 鶯の別名
吹く風に皺もやはらか水温む
・季語 水温む/仲春
朝寝してブランチとなる目玉焼
・季語 朝寝/三春
唇に一筋刻み海苔の美女
・季語 海苔/初春
コンテナの上にコンテナ草萌ゆる
・季語 草萌ゆる/初春 「下萌」の傍題
城垣に春一番の体当り
・季語 春一番/仲春
・城垣(じょうえん)
絵踏なほ今も昔のことならず
・季語 絵踏/初春
荒東風をひねもす城の鯱泳ぐ
・季語 荒東風(あらごち)/三春 「東風(こち)」の傍題
みづがねの空しろがねの山雪解
・季語 山雪解(やまゆきげ)/三春 「雪解(ゆきどけ、ゆきげ)」の傍題
・みづがね・・・水銀
緩みたる胸のボタンよ卒業期
・季語 卒業期/仲春 「卒業」の傍題
鉄橋の下潜りけり初燕
・季語 初燕/仲春 「燕」の傍題
春陰やこけしの眉は憂ひ帯び
・季語 春陰/三春 曇りがちな春の天候
足下にさしも草あり伊吹山
・季語 さしも草/三春 「蓬(よもぎ)」の傍題(別名)
木瓜咲いて俳句は二流こそよけれ
・季語 木瓜(ぼけ)咲く/晩春 「木瓜の花」の傍題
青といふ余白ありけり春の空
・季語 春の空/三春
パセリ一摑み弥生の森をなす
・季語 弥生/晩春 陰暦三月の異称。ほぼ陽暦四月にあたる。
開かれて海の真青や春障子
・季語 春障子/三春
掌に広がる野の香蓬餅
・季語 蓬餅/三春
声おぼろ翁の顔は髭の中
・季語 おぼろ/三春 朧・・夜の季語、昼は霞
春灯の器となりぬ終電車
・季語 春灯/三春
ときめきに身を浸しては花を待つ
・季語 花/晩春
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