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先週、突然、発熱。
38度手前くらいまでで高熱にはならなかったが、コロナも疑われるのでいろいろ自粛。
久々に埋まっていたカレンダーの行事等をキャンセルした。
家族に広がった様相もなく、無事に体調回復。
その間に、町の街路樹などは色づきはじめ、秋の様相が濃くなった。
気温30度にうんざりしていた頃から、わずか二週間。
半袖短パンでは過ごせなくなってしまった。
体調管理も大変だ。
♪結果発表(今回も2回にわけて)
言われずも咲く時は咲く曼殊沙華 藤三彩
〇(瞳人)ほんとに、律儀なことです
○(泉)今年の夏は猛暑だったので、花が咲く時期が混乱している様です。
○(卯平)曼珠沙華は詠み手の事か。
釣られしをぐいと口閉ぢ鯊の面 瞳人
〇(春生)一瞬の表情を捉えて妙。
空腹で食べる美味さや運動会 泉
〇 (多実生) 覚えが有りますその通りです。
○(アネモネ)ストレートに実感!
この坂のこの彼岸花母許りへ 餡子
◯(道人)「この」のリフレインが効いていて、母のいるところへの道の景がリアル。
○(あちゃこ)こののリフレインが募る思いを上手く伝えています。
彼岸花竹林に行けばアンケート ちせい
半世紀嫁だった母曼殊沙華 珠子
〇(藤三彩)戦後に嫁として入り、舅姑を見送り、旦那もいなくなる。一人となりて今が幸せという
○(餡子)50年もの間嫁として仕える。最後までお舅さんやお姑さんの面倒を見られたのでしょう。曼珠沙華咲くあの坂を、いろいろな思いで上り下りしたでしょう。お母さまを慈しむ作者の眼差しにも感銘を受けます。
○(幹夫)「女の一生」を書いたのはモーパッサンだった。掲句もまたその一生が詠まれる。
○(アダー女)亡き母上のご苦労を今、この年になり理解してあげている事に作者の優しさを感じます。
◎(泉)女性は結婚すると、嫁、母親、妻と大変です。
〇(めたもん)上五、中七の措辞が、昭和の頃の母の哀しさを上手く表していると思います。
○(宙虫)社会情勢の変化で、この嫁の捉え方も次第に変わっていきそう。
澄む秋を一巡りして農家カフェ 道人
〇(藤三彩)NHKの番組で「ふるカフェ系 ハルさんの休日」というのがある。全国各地で古民家を復活させたカフェがあると知る
〇(楊子)秋のいい日に一度は巡りたいものですね。
○(泉)いかにも田舎の秋らしい。
〇(まきえっと)情景が目に浮かびます。「農家カフェ」って流行っていますよね。
◯ (アゼリア) 数年前農家懐石へ行きました。新鮮な野菜料理が次々出され美味しく頂いたこと思い出しました。
◎(ちせい)結果オーライではない計画性をこの句に感じました。
棚田縫う道のくねりや曼珠沙華 めたもん
〇(まきえっと)曼珠沙華の咲き方で道のくねりがわかります。
〇 (多実生) 複雑な棚田の畔を曼殊沙華が浮き立たせます。
○(幹夫)農村の景が佳く思い浮かぶ。
○(仙翁)彼岸花は、田んぼを囲むようによく咲いていますね。
残業の賄い飯やすいつちよん 卯平
〇(春生)少し寂しいですが、すいっちょんがいるからいいか、って感じ。
〇(楊子)夜も更けてまたもう一仕事というところでしょうか。「すいつちよん」という虫の声のオノマトペが、もう一仕事という気持ちに弾みをつけています。
○(餡子)賄い飯が、店の定番メニューになり、評判になることが多いようです。美味しいんでしょうね。こんな経験はなかなかできません。
◎(カンナ)写真からの自由な発想が良いですね。取り合わせが面白いと思います。
◯(道人)「いつちよん」の斡旋が見事。
◯ (アゼリア)これだけ平らげたらお仕事のスイッチもonになりそうです。
○(あちゃこ)発想と巧みな取り合わせに惹かれました。
曼珠沙華遊女の墓に石ひとつ 春生
○(幹夫)共感する。
◎(アネモネ)上手すぎるくらいに上手い。
◎(仙翁)遊女の墓の石、何となく切ない感じ、いいですね。
○(アダー女)お墓に曼珠沙華はピタリですが遊女も更に付き過ぎくらいピタリ。苦労して死んでいったであろう遊女の墓に小石を一つ置いてあげている誰かの優しさが身にしみます。
○(卯平)類似感はあるが景は明確。
〇(ちせい)哀れな感覚を持ったのかもしれません。「遊女何々」と名前の記載もあったのかもしれません。
(選外)(道人)好きな句材だが付き過ぎかも。
葛折り辿り母訪ふ曼珠沙華 アゼリア
〇(楊子)いろいろあったけれどね、やはり母は気にかかります。
○(アダー女)亡き親を思う時、殆どが母の方です。産みのの苦しみで産んでくれた母への愛は大きいのですね。父なる男性方にはお気の毒ですが・・・多分父だって同じお墓にお眠りでしょうに。
秋の滝滑り易さを確認し ちせい
ファミレスの孤食に秋が乗ってくる 楊子
◎(あちゃこ)孤食する姿にも秋は穏やかに訪れる。小さな幸せを感じさせます。ファミレスの斡旋がいいですね。新しみのある一句。
◎(卯平)集団の中の孤独。
◎(めたもん)ファミレスで独りとる食事にはどこか「秋」の気分がありますね。「秋が乗ってくる」の表現が上手いと思います。
○(宙虫)運ばれてくるもの秋が乗って来る感覚が面白い。
泣くまいぞ社食完食青蜜柑 あき子
〇(カンナ)職場で辛いことがあったのでしょう。季語が利いていると思います。
〇(ちせい)何か意味深な。季語の斡旋が上手いような気がしました。
見上ぐれば石垣にずらり狐花 アダー女
大空を目指す坂道曼珠沙華 まきえっと
〇(春生)どこまでも続いて天までも続きますね。
○(幹夫)景が佳い。
◯ (アゼリア) 大空を目指すーの措辞で景が大きくなった気がしました。
○(宙虫)赤と青、景色の広がりが無理なく。
彼岸花てんてん村は石を組む 宙虫
〇(珠子)天まで石を積むので、てんてん村?架空の村?その地で生きるためとは言え、いにしえ人の忍耐力には驚愕です。その血のほんの少しは私たちにもつながっているハズ。
〇(まきえっと)「てんてん村」ってどんな村だろう。
○(あちゃこ)石垣を生かしたいと思っていましたが、こう来たかと。九州では、よく石垣を目にしました。
石段に道標べなる彼岸花 仙翁
原点へ続く坂道曼珠沙華 あちゃこ
◎(楊子)原点というあいまいな言葉は俳句にはふさわしくないかもしれない。が、具体的には表せないもの、自分だけが知る心の原点を言っているのでしょう。
○(餡子)いろいろな意味の「原点」ですね。人生の生を受けた始まり。或いは、思春期の目覚めの時。そして家を離れるスタート地点。今逆にそこへと向かうとき・・・。振り返ればあっという間の人生。
◎(まきえっと)原点がいいですね。
○(仙翁)原点というのが、意味ありそうで面白いですね。
○(アダー女)自分の原点。それは親であり、ご先祖様ですね。
〇(ちせい)彼岸花が不動の地蔵であるような。原点を軸に全てが動いているような。
身に入むや男は龍になれぬまま 楊子
〇(瞳人)燕雀の夢ですね
〇(藤三彩)「龍淵に潜み」をベースに身に入る(三秋)を主とする。男とは何か?
◎(餡子)滝の前に立つあの写真の人?龍になって、どうしたかったのでしょうか?小さい頃からの夢だったのでしょうか?思うようにならない諦めと寂しさがひしひしと寄せ来る句。
〇(カンナ)中年男性の悲哀、遣る瀬無さが感じられます。
〇(めたもん)龍に憧れ、龍になれずにいる男。そのことを受け入れながら生きる姿にはどこか滑稽さがあるようにも感じます。
つづく
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