失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「圭子の夢は夜ひらく」 藤圭子 1970年

2013-01-26 | 
藤圭子のヒットシングルをカップリング。ビクター「ベストカップリング」シリーズの一枚。1995年発売。

①圭子の夢は夜ひらく 1970
作詞:石坂まさを、作曲:曽根幸明、編曲:原田良一
圭子の3rdシングル。オリジナルは園まり、1966年。園まり版の詞は、中村泰士と富田清吾による「圭子の」とまったく異なるもの。圭子版はオリジナルのアダルトムードをさらに濃厚に、ねちっこく迫る。「十五、十六、十七と 私の人生暗かった」とドスをきかせて歌われたら、そら姐さんついていきますわ!ってなるわ。6番まであって、6回とも印象的なタメが炸裂する「♪夢は夜ひらく~」のフレーズでまとめられる。辛いこといろいろあったけど、今は刹那の快楽に身を委ねましょう。そんな諦念を感じさせる18歳のハスキーヴォイス。えっ18歳ですって!?と白目&縦線で竜崎麗香調にふり返ってしまうほど、異様な早熟ぶり。これ聴いてしまうと娘が15歳で「Automatic」歌ってもそれほど驚くことじゃない気がする。

②新宿の女 1969
作詞:石坂まさを・みずの稔、作曲:石坂まさを、編曲:小谷充
圭子のデビューシングル。キハーダが活躍するムード歌謡。こっちは「ネオンぐらしの蝶々には やさしい言葉がしみたのよ」とだまされちゃった夜の女の悲哀を歌う17歳…どんだけ退廃ムードなんだ。元祖新宿系として椎名林檎の源流と捉えることも可能。

③①のカラオケ(非オリジナルカラオケ)

④②のカラオケ

なんで②はオリジナルカラオケがあるのに、翌年の①はないんだろ。マスターテープ紛失かな?

定価1000円、中古で315円。
たぶん10代の写真なんだろうけど、メイクも完全に夜の蝶。


「夢は夜ひらく」はその後も三上寛、梶芽衣子、ちあきなおみ、八代亜紀などなど、多くの歌手によってカヴァーされている。おっ前川清も歌ってるんだ。歌詞はそれぞれ新しいのを付けていることが多いのが特徴。これだけ異なる歌詞がある曲も珍しいのでは?このためか、それぞれのカヴァーヴァージョンのタイトルに自らのファーストネームを冠したものが多い(「芽衣子の夢は夜ひらく」といった具合)。でも「寛の」は付けなかった。

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