「ロッヂで待つクリスマス」 藤谷美紀 1990年

藤谷美紀の8thシングルは、両A面のカヴァー曲カップリング。

①木綿のハンカチーフ
作詞：松本隆、作曲：筒美京平、編曲：岩崎文紀
昭和歌謡の名作を、見事に駄カヴァー。この子の強みは「コケティッシュ声」だけど、さすがに太田裕美には勝てないよ。残念ながら、選曲ミス。

②ロッヂで待つクリスマス
作詞・作曲：松任谷由実、編曲：岩崎文紀
ところが、こっちは意外にいいんだ。ユーミン『流線形'80』(1978)のA面一曲目をカヴァー。一曲目としては地味な印象のスローナンバーだけど、結婚後2作目、まだ天才少女時代の名残も感じられる硬めの声が、冬のリゾート地の澄んだ空気を描き出すのに成功している。「熱のある日は部屋に残された　子供の私がよみがえり　すわっている」なんて歌詞にハッとさせられる。
美紀さんは特に上手くはないけど、やっぱり声がキュートすぎ！サビの半音攻撃は、どこから聴いてもユーミン印の個性的メロディで、アイドルには厳しい。しかし、それも味。カワイイから大丈夫！な人は大丈夫。アレンジも①のダメダメぶりからは予想もしなかった格調高い仕上がりなのだ。

定価900円、中古で315円。
ジェダイっぽい衣装の美紀さんの周りを羽根が舞う演出。アイドル・ポーズが完璧さ。