失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「うしろむきのLOVE」 相楽晴子 1988年

2014-08-04 | アイドル系
相楽晴子の5thシングル。

①ブレード・ランナー
作詞:D.Votion、日本語詞:湯川れい子、作曲:Christian Bruhn、編曲:中村哲
オリジナルはドイツの女性シンガーLady Lily「Blade Runner」(1985)。Gitti und Erikaとして70年代から活躍していた姉妹デュオの妹のほう(エリカ)がいきなり「レディー・リリー」を名乗ってディスコ化。清純派イメージを壊してみたかった感じ?原詞は英語。日本語カヴァーもサビはタイトルの繰り返しで辛い。湯川れい子の日本語詞はとくにSF志向でもなく、登場する「危険な奴」はバウンティ・ハンターでもレプリカントでもないようだ。なんでこんなC級ディスコを日本語カヴァーしようと思ったかなあ。

②うしろむきのLOVE
作詞:湯岡智子、作曲:兼元一夫、編曲:中村哲
しかし、カップリングがいいのだ。B面曲(1988年なのでもちろんアナログリリースあり)らしい控えめな佇まいながら、キラリと光る隠れた佳曲。アレンジはシンディ・ローパー「Girls Just Want To Have Fun」を基本にちょっとコミカルなギミックを振りかけてみた。ミドルテンポで淡々と進む展開、アッパーではないテクノ感がストライクすぎる。盛り上げ過ぎないしっとりしたサビ、抑えたコーラスの入れ方も好み。相楽晴子のヴォーカルはとくに声がいいわけでもなく、ド下手というほどでもない。女優としてのキャリアにも通じる二番手っぽさがこの曲にフィットしている。最後、オケがスクラッチ音に吸い込まれるように消え、「またね」の挨拶で終わる。ちなみにタイトルは畑中的なラーゲの話ではなく、「今すぐ うしろから ささやいて」「今なら 背中から抱きしめて」など、うしろ好き女子の心情から。いや、街中の設定だから大丈夫。たぶん。

定価不明(たぶん1000円)、中古で50円。
内容は電気羊/PKDとはまるっきり関係ないが、ジャケの相楽さんはクールビューティーな衣装&メイクでレイチェル(ショーン・ヤング)を意識しているようなしてないような。

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