失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「そしてギルティ」 高橋リナ 1991年

2016-04-20 | 
1985年、シングル「16歳の儀式」で、タイトルどおり16歳デビュー。アイドルとしては成功しなかったが、なんだかんだで細々とシングルリリースを重ね、1991年には初のアルバム『Je vis(ジュ・ヴィ)』にたどり着く。その後もこれといったヒットのないまま1997年の2ndアルバム『裸の水』を最後に音楽活動終了。1997年までに15枚のシングルを残したが、そのほとんどがアルバム未収録。今のところベスト盤とかボックスセットでまとめられる気配はない。

そんな高橋リナの9thシングル。

①そしてギルティ
作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:中村暢之
スパニッシュぽいギターのイントロから歌いだすリナのシリアスな調子に引きこまれる。阿木宇崎コンビでついつい期待してしまう百恵の影を感じさせながらも、リナさんのドラマチックな表現は独自の領域に到達している。アイドル~モデルと経験を重ねつつ、歌い手としての訓練を怠らなかったのだろう。宇崎夫妻もかつての百恵ヒッツを彷彿とさせるハイレベルの仕事をしている。キャッチーなサビ「もっと振りじゃなくて 本気で感じてみたい」の切迫感は見事だし、「煩悩 そして執着 嫉妬 そして強情」とたたみかけていく展開もスリリング。「プアゾンめいた そして罪悪感(ギルティ)」と最後はため息まじりに吐き捨てるリナにゾクゾクくる!これがヒットしなかったのはなぜ?と本人もスタッフも首をひねったに違いない、力の入った一流歌謡曲。昭和ぽいのが時代に合わなかったのかねえ…
宇崎竜童がセルフカヴァーアルバム『しなやかにしたたかに〜女たちへ2』(1994)のオープニングナンバーとしてこの曲を取り上げている。

②Like Music
作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:中村暢之
一転、ソフトに歌うリナ。さわやかに流れるようなメロディに乗せ「あなたのために 生きてゆくことは 私の今日を 燃やすことですね」なんて阿木節が炸裂する。こちらも名曲。

2曲でリナのまったく違う魅力を引き出した、阿木宇崎チームの技が光るシングル。

③④カラオケ

定価800円、中古で100円。
ちょっと嫌味なくらいスタイリッシュな美ジャケ。


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2 コメント

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Unknown (ラジオ裏日本)
2016-04-20 07:41:29
なつかしい方ですね~。
マサリナとしても活動してましたが、本業のモデルさんが一番しっくりしていた記憶がありますね。
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Unknown (nakamura8cm)
2016-04-21 23:02:13
私にとってはテレバイダーなんですよねー
ビシッとしたスーツ姿でキャスターを演じるリナさん、カッコよかった!
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