失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ダブル ゲーム」 南野陽子 1990年

2017-02-12 | 
南野陽子の17thシングル。

①ダブルゲーム
作詞:荒木とよひさ、作曲:三木たかし、編曲:若草恵
「テレサ・テンのような大人の歌を歌いたい」って、世の脱アイドル宣言の中でも相当ぶっとび系だろう。当時のナンノは人気のピークを越えてやや下り坂に入ったところ。「身の程知らず」ときちんと忠告できるブレーンがいなかったんだろうね。本人がそう言うなら…てなノリで、「つぐない」「時の流れに身をまかせ」などのテレサの代表曲を書いたソングライトチームが呼べちゃうのだから、まだまだ勢いはあったということか。期待どおりのアダルト歌謡を受け取ったナンノ。歌ってみて本人はどうだったのだろう。そりゃまあデビュー当時よりは進歩しているとは思うが、ムード系を歌うには声の湿度が低すぎた。アイドルシンガーとして実力以上の成功を収めたあと、ナンノ22歳の迷走のはじまり。翌1991年のSSWとしてのアルバムで歌手活動終了。2005年にセルフカヴァーシングルで復活、その後は沈黙。

②サイド・シートに答えて
作詞:南野陽子、作曲:黒沢健一、編曲:新川博
こちらもアダルト路線ではあるが、ビートが効いた歌謡曲で比較的安心して聴ける。「先の見えない恋」に苛立つ主人公。女心の焦りを感じさせるキャッチーなサビでは「どこにもいけない 私をさらって」。当時のナンノの行き詰まり感を表現しているのかも?と深読みしたくなる自作詞。

定価800円、中古で100円。
目を伏せて薄幸美女の雰囲気。

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