失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「セシルの週末」 1989年、「ほうせんか」 1991年 真璃子

2012-09-29 | ユーミンみゆき
真璃子の11th & 15thシングル。

1986年デビューの真璃子。初期はアイドルとして活躍、88年ごろからはレコード会社を移しアーティスト志向へ。アイドルとしては華がなかったという評価は、まあ当たっているかも。10年のキャリアでシングル21枚を残している。歌唱は安定しているし、適度に哀愁のある声もいいのに、とんねるずの強力なプッシュも虚しくこれといったヒット曲に恵まれなかった。プロデュースの問題?時代が悪かった?もしかするとカヴァーの選曲に何か秘密が…?

左、ユーミンのカヴァー。

①セシルの週末
作詞・作曲:松任谷由実、編曲:新川博
オリジナルはユーミンの9thアルバム『時のないホテル』(1980)の一曲目。ユーミンダウナー期の名曲は、気だるいリズムで元不良少女の心の動きを綴る。「そうよ下着は黒で 煙草は14から」ってユーミンでもちょっと無理を感じるフレーズなのに、優等生のイメージのある真璃子さんが歌うと違和感絶大。キーは彼女の声が活きる音域より低めで、歌唱もユーミンに寄せていくようなやさぐれ感(歌の内容からはそうなるのは仕方ないけど)を懸命にしぼり出してる印象。アイドルからの脱皮的な狙いは分かりやすく伝わってくるけど、これは明らかに選曲ミス!

②虹色の花
作詞:真璃子、作曲:松任谷正隆、編曲:新川博
正隆さんの書き下ろし。こちらは思いっきりアイドルポップスなのだ。本人作のブリブリ80'sアイドルチックな歌詞は微妙に聖子オマージュ?音域も合っているし、どう考えても①より成功している。

定価937円、中古で50円。
夫婦の曲カップリングってのも珍しいかな。ジャケは地味すぎ。


右、中島みゆきのカヴァー。

①ほうせんか フジテレビ系「ねるとん紅鯨団」エンディングテーマ
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:チト河内
オリジナルは中島みゆきの6thシングル「おもいで河」(1978)B面。歌詞は「後姿のあの人に幸せになれなんて 祈れない いつか さすらいに耐えかねて 私をたずねて来てよ」なんて、明るいムードでさらっと闇を歌うみゆき中央道まっしぐら。真璃子のクリアな歌唱でオリジナルとはかなり異なる雰囲気だが、この薄幸声にも説得力あり。みゆきさんとは違う女性像を描き出すことに成功している。ユーミンに近づきすぎて失敗した「セシル」に学んで、みゆきさんとの距離を上手にとった印象。

②カラオケ

定価800円、中古で100円。
日本の二大女性SSW、ユーミン&みゆきのカヴァーをふたつともシングルとしてリリースしているのはちょっと珍しいかも?真璃子以外にいるのかな。



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