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超のつく名曲と、残念セルフカヴァーと単なる駄カヴァー。
まずは左、オリジナル。1995年にビールCMタイアップで8㎝化。
①アイム・ノット・イン・ラヴ I'M NOT IN LOVE キリンブラウマイスターCFイメージソング
(Gouldman-Stewart)
今さら語るまでもない、完璧なポップソング。ぱっと聴くと人の声とは思えない処理が施された多重コーラスのイントロは異次元への入口。美しいメロディと逆説的な歌詞、そして革新的なサウンド。相当にひねったアレンジなのに、耳当たりは優しい。間奏で薄くなったバック(エレピ+ベース)の音に重ねた女性の語り「Be quiet, Big Boys Don't Cry…」は、夢の中での女神の囁きか。つづいてクレッシェンドする分厚いコーラスからの覚醒感!泣きながら目覚めた男は何かを悟ったはず(まあ、最初から分かっている風ではあるけれど)。その後も歌詞は相変わらず強がりを並べ、しまいには「you'll wait a long time for me」なんて何様!?なセリフまで飛び出す始末。この男、だいぶ追い込まれてるなあ。狂気スレスレの過剰なまでに緻密な音像が、息苦しくなるほどの焦りを見事に表現しているのだ。リードヴォーカルはエリック・スチュワート。
ところで、ここに収録されているのは3分50秒のシングルエディット。フェイドアウトがあっさりし過ぎて余韻がない。3分18秒でのつなぎは、微妙に失敗してないかい!?アルバム『The Original Soundtrack』(1975)収録の6分ヴァージョンに比べると、今ひとつ曲の世界にめり込めないのだ。
②我が愛のフィルム THE FILM OF MY LOVE
(Godley-Creme)
『The Original Soundtrack』のラストナンバー。ゆったりしたドラムマシーンのリズムに朗々としたグレアム・グールドマンの歌声。架空の映画サントラって設定のアルバムの、最後を飾るエンド・クレジットといった趣き。歌詞には、Co-starring, close up, superimposedなどの映画用語や「Gone with the wind(風と共に去りぬ)」「The Magnificent Seven(荒野の七人)」などの名画のタイトルが散りばめられている。ドラマチックすぎるメロディに、絵空事を描いたパッチワーク的歌詞。これがなぜだか圧倒的に切ないのだ。「我が愛のフィルムは世界を駆け巡るだろう」って、終わった恋の歌なんだよな。
定価930円、中古で300円。
ジャケはグールドマンとスチュアートのふたりのみ。内容としては、バランスよくメンバー4人(2チーム)の作品を並べてるのに。
中、20年後のセルフカヴァー。1995年当時グールドマンとスチュアートの二人ユニットであった10cc。5ccとか言われてたっけ。
①アイム・ノット・イン・ラヴ(アコースティック・セッション'95) I'm Not In Love (Acoustic Sesseion '95)
どうしてかな。分かっていてもやっちゃうのかな。名曲伝説を自ら解体したくなるのかな。基本アレンジはオリジナルをなぞっているのに、なんだか緩い雰囲気がやるせない。いや普通に聴けば聴けないことはないのだが、オリジナルの鬼のような緻密さと比べてしまえば、のんべんだらりに感じてしまうよ、そりゃ。ジャケ裏の歌詞には記載されているのに、女性の語りは省かれ、かわりに「you'll wait a long time for me」のパートを挟んで3番へ。オリジナルでは1番が最後にもう一度歌われるのだが、それもカット。あっさりさっくり3分33秒で終わる。
②平和への道のり Peace In Our Time
(Graham Gouldman/Steve Pigott
この頃はふたりの関係もそろそろ終わりかけていたのだろう。グールドマンのソロといってよい作品。
定価1000円、中古で300円。
ジャケはアルバム『Mirror Mirror』と同じ。
2曲とも歌詞・対訳がついている。
右、1990年にリリースされたウィル・トゥ・パワーによる駄カヴァー。
①BOOGIE NIGHT
(R. Temperton)
オリジナルはヒートウェイブ、1976年のディスコ・ヒット。しょーもないカヴァー。
②I'M NOT IN LOVE
こんな駄カヴァーが全米7位って嘘だろ?安いアレンジに、こなれた歌を聴かせる女性ヴォーカル。どこにも聴きどころのないスーパーBGMレベル。
定価800円、中古で10円(100円のシールが見えるけど)。
ハードオフの箱が似合いすぎるナイスデザイン。
まずは左、オリジナル。1995年にビールCMタイアップで8㎝化。
①アイム・ノット・イン・ラヴ I'M NOT IN LOVE キリンブラウマイスターCFイメージソング
(Gouldman-Stewart)
今さら語るまでもない、完璧なポップソング。ぱっと聴くと人の声とは思えない処理が施された多重コーラスのイントロは異次元への入口。美しいメロディと逆説的な歌詞、そして革新的なサウンド。相当にひねったアレンジなのに、耳当たりは優しい。間奏で薄くなったバック(エレピ+ベース)の音に重ねた女性の語り「Be quiet, Big Boys Don't Cry…」は、夢の中での女神の囁きか。つづいてクレッシェンドする分厚いコーラスからの覚醒感!泣きながら目覚めた男は何かを悟ったはず(まあ、最初から分かっている風ではあるけれど)。その後も歌詞は相変わらず強がりを並べ、しまいには「you'll wait a long time for me」なんて何様!?なセリフまで飛び出す始末。この男、だいぶ追い込まれてるなあ。狂気スレスレの過剰なまでに緻密な音像が、息苦しくなるほどの焦りを見事に表現しているのだ。リードヴォーカルはエリック・スチュワート。
ところで、ここに収録されているのは3分50秒のシングルエディット。フェイドアウトがあっさりし過ぎて余韻がない。3分18秒でのつなぎは、微妙に失敗してないかい!?アルバム『The Original Soundtrack』(1975)収録の6分ヴァージョンに比べると、今ひとつ曲の世界にめり込めないのだ。
②我が愛のフィルム THE FILM OF MY LOVE
(Godley-Creme)
『The Original Soundtrack』のラストナンバー。ゆったりしたドラムマシーンのリズムに朗々としたグレアム・グールドマンの歌声。架空の映画サントラって設定のアルバムの、最後を飾るエンド・クレジットといった趣き。歌詞には、Co-starring, close up, superimposedなどの映画用語や「Gone with the wind(風と共に去りぬ)」「The Magnificent Seven(荒野の七人)」などの名画のタイトルが散りばめられている。ドラマチックすぎるメロディに、絵空事を描いたパッチワーク的歌詞。これがなぜだか圧倒的に切ないのだ。「我が愛のフィルムは世界を駆け巡るだろう」って、終わった恋の歌なんだよな。
定価930円、中古で300円。
ジャケはグールドマンとスチュアートのふたりのみ。内容としては、バランスよくメンバー4人(2チーム)の作品を並べてるのに。
中、20年後のセルフカヴァー。1995年当時グールドマンとスチュアートの二人ユニットであった10cc。5ccとか言われてたっけ。
①アイム・ノット・イン・ラヴ(アコースティック・セッション'95) I'm Not In Love (Acoustic Sesseion '95)
どうしてかな。分かっていてもやっちゃうのかな。名曲伝説を自ら解体したくなるのかな。基本アレンジはオリジナルをなぞっているのに、なんだか緩い雰囲気がやるせない。いや普通に聴けば聴けないことはないのだが、オリジナルの鬼のような緻密さと比べてしまえば、のんべんだらりに感じてしまうよ、そりゃ。ジャケ裏の歌詞には記載されているのに、女性の語りは省かれ、かわりに「you'll wait a long time for me」のパートを挟んで3番へ。オリジナルでは1番が最後にもう一度歌われるのだが、それもカット。あっさりさっくり3分33秒で終わる。
②平和への道のり Peace In Our Time
(Graham Gouldman/Steve Pigott
この頃はふたりの関係もそろそろ終わりかけていたのだろう。グールドマンのソロといってよい作品。
定価1000円、中古で300円。
ジャケはアルバム『Mirror Mirror』と同じ。
2曲とも歌詞・対訳がついている。
右、1990年にリリースされたウィル・トゥ・パワーによる駄カヴァー。
①BOOGIE NIGHT
(R. Temperton)
オリジナルはヒートウェイブ、1976年のディスコ・ヒット。しょーもないカヴァー。
②I'M NOT IN LOVE
こんな駄カヴァーが全米7位って嘘だろ?安いアレンジに、こなれた歌を聴かせる女性ヴォーカル。どこにも聴きどころのないスーパーBGMレベル。
定価800円、中古で10円(100円のシールが見えるけど)。
ハードオフの箱が似合いすぎるナイスデザイン。
右サイドバーを見ると「洋」もこれで99記事になりました。
和モノに比べると圧倒的に少ないですが、ぼちぼち書いていきます。
(A Hard Day's Nightまでしか書いてない)
必ずつづきをやります!