失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「イメージの詩」 吉田拓郎 1970年、浜田省吾 1997年

2009-12-08 | 
吉田拓郎のデビューシングルと、27年後の浜省によるカヴァー。

左がおなじみ食玩の一枚。

①イメージの詩
作詞・作曲:吉田拓郎
アルバム・ヴァージョンを約半分(それでも4分以上)に短縮したエディット、ではなく再録ヴァージョンらしい。割愛された部分は恋愛関連の歌詞が多かったので、このシングルヴァージョンはオリジナルより硬派なイメージに。もう、すべてがあまりにもディラン過ぎて笑う。こんなに「ディラン声」だったんだ、デビュー当時は。語尾を#気味に放り投げるような歌唱法も、誰がどう聴いてもディランフォロワー。しかし、意識的に同じ語句を繰り返してリズムを作り、それでいて単調にならないのはさすがだな。あまりにも有名なフレーズ「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」が終盤に登場する。

タイムスリップグリコなので、残念ながらB面曲「マークⅡ」は収録なし。

定価不明、中古で200円。
エレックレコードのレーベルが再現された8㎝がうれしい。
ほぼ同時期に遠藤賢司はセカンドシングル「夜汽車のブルース」をリリースしている。そんな時代。


右、浜田省吾の28thシングル。

①イメージの詩
作詞・作曲:吉田拓郎、編曲:星勝
吉田拓郎本人がアコギで参加。クレジットを見ると、ジェイムズ・テイラーのリズムセクション(ラス・カンケル&リー・スカラー)など、外国のミュージシャンが半分くらいを占めている。浜省はヴォーカルとハーモニカ演奏。乱暴に言ってしまえば、拓郎のオリジナルが「風に吹かれて」なら、浜省のカヴァーは「ライク・ア・ローリング・ストーン」なアレンジ。ま、エレキとかオルガンとかね。シングル・エディットではなく、オリジナルの長い歌詞を全部歌って、7分10秒。

②生まれたところを遠く離れて(シングルバージョン)
作詞・作曲:浜田省吾、編曲:星勝
浜省1976年のソロデビューアルバムのタイトルソングをリメイク。拓郎のデビュー曲のカヴァーのカップリングに、自分のデビューアルバムから一曲入れてくるあたり、拓郎と自らを重ねていく姿勢の現れか。労働者階級の悲哀を綴った歌詞を、ゴスペル調のハチロクに乗せて切々と歌う、ひたすら重く長い9分15秒。

定価816円、レンタル落ち400円。
豪華3面見開きジャケット。開いてみてもよかったんだけど、それほど楽しくなかったので畳んだままで。

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2 コメント

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えーと、 (Sugar)
2009-12-13 03:44:54
これエレックが勝手にシングルカットして、
リズムとかぐしょぐしょな仕上がりに編集してしまったんですよね。

このCDではどうやらそれじゃあんまりだと
録音し直したver.が使われているみたいですな。

坂崎幸之助さんのラジオ番組で両方比較してオンエアされたんですが、
ホントに最初に出たver.のムチャクチャさは凄かったです(苦笑)。
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そうらしいですね (nakamura8cm)
2009-12-14 00:01:38
フォローありがとうございます。
そのエレックが雑に編集したヴァージョンはレアなんでしょうね。
さすが拓郎のモノマネが得意な坂崎さん!
コレクターズアイテムを押さえてますねえ。
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