失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「太陽のKomachi Angel」 W-NAO 1992年

2010-07-15 | 
ついにB'zネタか…いや、まだ終点ってわけじゃないよ。

及川奈央とnao.ではなく、網浜直子と飯島直子で、W-NAO(ダブルナオ)。

1985年に歌手デビューした網浜にとってはキャリアの終わり。逆にW-NAOをきっかけに歌いはじめた飯島は、その後短い間ではあったが、ソロシンガーとしていくつかの作品をリリースした。ほぼどーでもいいキャリアの中で、キラリと光る「Tell Me Why?」なんてシングルを残していたりする。

そんなW-NAOのシングルは全4枚。デビューから3枚のシングル&唯一のアルバムはすべてB'z曲のカヴァー。最後の一枚だけB'zがらみではない。2枚目と4枚目をさらっと紹介する。

左、セカンドシングル。

①太陽のKomachi Angel
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:池田大介
B'z初のNo.1シングルとなった出世作のカヴァー。B'zに疎い私でも、さすがにこの曲は知ってた。B'zの音楽は、5秒小耳にはさんだだけでも強烈な個性をビシビシ感じるという意味で、スゴイと思う。「えっ、今何て!?」と思わずふり返ってしまうような珍フレーズが多いのもポイントだろう。この曲のタイトルとか、常人には考えつきそうもないし、もし考えついたとしても普通は採用しないような語呂の悪さ。稲葉さんの特異な日本語センス、ハードロック系で歌詞が聴き取りやすい(その意味は分からなくても)ヴォーカルスタイル、好みは別として完成度の高さは認めざるを得ない。
さて、この曲のリズムはラテン+音頭?どこまでもアッパーな曲&アレンジに、稲葉さんの粘りとは対照的な直子'zのとことん軽い歌声。B'zファンじゃなくても「これはないんじゃないか」と抗議したくなる、台無し感満載の場末カラオケパブクオリティ。

②HOT FASHION~流行過多~
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:池田大介
B'zの4thアルバム『RISKY』(1990)収録曲のカヴァー。ほとんど①と区別がつかない頭打ちのリズムとアレンジ。やっぱ日本の祭りに似合う、「ハードロック音頭」なんだなあ。そう思えば、NAONAOの底抜けに軽々しい歌声も、地域の盆踊りを盛り上げるヤンキーさんたちのお囃子に聴こえなくもない。

③①のカラオケ

定価1000円、レンタル落ち10円。
写真小さいけどバイクの前に主役っぽく立っているのが網浜さん、ちょっと控えめなポジションで、顔も横向きなのが飯島さん。これは当時の芸能界での立ち位置を反映していると思われる。


3年後、レコード会社を移籍して(テイチク→日本コロムビア)1995年にリリースした4枚目。結果的にこれがラストシングルとなった。もちろん、2曲ともこの8㎝でしか聴くことのできないレアトラック!

①RESCUE ME 日本テレビ系全国ネット「スーパJOCKY」エンディング・テーマ
作詞:W-NAO、作曲:多々納好夫、編曲:古井弘人
多々納好夫もビーイング系の作曲家。ハウスですか。B'z曲で聴けた、いい意味での「下世話感」が希薄になって、正直つまらない出来。直子直子自作のちょいエロ歌詞についてコメントするのはやめとく。

②MISTAKE MISTAKE
作詞:向井玲子、作曲:多々納好夫、編曲:大堀薫
う~①よりちょっといいかな…さよなら!ナオコーズ!

③①のカラオケ

定価1000円、レンタル落ち30円。
B'z時代とは逆に、飯島さんのほうが上り調子だった1995年。当然のように、ジャケでは上が飯島、下に網浜という位置関係に。この短冊2枚で、ちょっとした芸能界下剋上が窺える。




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