何もない部屋

言葉や感情が溢れそうな夜に、
詩や日々考えていることを書いてます。

新しい季節

2021-03-07 22:00:44 | 
あの日君と歩いた河川敷に
今年も勿忘草が咲いていた
悲しげに誰かを呼んでいるように

僕は君との時間を愛と呼んだけど
少しも分かっていなかった
傷つけた傷で傷ついた僕は
あれからずっと俯いたまま

新しい季節が始まる風の匂いを感じるたび
君と手をつないで歩いた街並みが
桜の色で染まるたび
君の気持ちなど知りもせず
霞んでいく空を見上げることもなく
身勝手に君を思い出すだろう

僕は君との時間を愛と呼んだけど
少しも分かっていなかった


心から笑えない日

2021-02-21 21:20:20 | 
太陽が笑ってた今日
僕は心から笑えなかった
ここから救い出してくれる楽しみも
心を埋めてくれる宛もなく
暗く沈んだ心で見上げた空は
ただ輝いて見えた
愛されていると感じて
満たされていた時間も
確かにあった
言葉にも態度にも現実の姿にも
何にも惑わされることなく
余計なものを全て省いていって
最後に残ったものが
一番大事だから
それが分かっていたら
いつか笑える日が来るはず
心から笑える日が来るはず