何もない部屋

言葉や感情が溢れそうな夜に、
詩や日々考えていることを書いてます。

悲しいことばっかり

2016-09-13 22:53:43 | 
そこは海の見えるカフェだった
港に着いた船が
のんびりと出発のときを待っている
君はこの景色が好きだと言った
そしてふいに呟いた言葉が
あまりにも僕の心と似ていて
思わず目をそらした

「悲しいことばっかり」

君がときどき見せる微笑みには
切ない色が混じっている
その瞳の奥は寂しく
少し暗い影を帯びているように見えた


秋風が吹き始めた
夏の終わりの日
アイスティーの溶けた氷と
一粒一粒の水滴
マルボロの匂い
この瞬間に込み上げる切ない思いは
みんなが知らなくてもいい
君と僕だけが知っていれば
それでいい