新しい季節 2021-03-07 22:00:44 | 詩 あの日君と歩いた河川敷に今年も勿忘草が咲いていた悲しげに誰かを呼んでいるように僕は君との時間を愛と呼んだけど少しも分かっていなかった傷つけた傷で傷ついた僕はあれからずっと俯いたまま新しい季節が始まる風の匂いを感じるたび君と手をつないで歩いた街並みが桜の色で染まるたび君の気持ちなど知りもせず霞んでいく空を見上げることもなく身勝手に君を思い出すだろう僕は君との時間を愛と呼んだけど少しも分かっていなかった