佐野さんのファンなのに手元に置くのにタメライがあって(お母さんの話ということで)、買いませんでしたが、気にはなって図書館では行く度探していました、やっと巡り会えて、一気読みしました。
「肉親は知らなくてもいい事を知ってしまう集団なのだ。家族だからこそ互いによくも悪くも深いくさびを打ってしまうのだろう。」
「子供のくせに妙なスケール感があった。あの子が一番出来のいい兄弟だったのではないか。ずっと生きていたらどんなに頼もしく育ったかも知れない。私は今でも自分の子どもを外すとタダシが世界中でただ一人限りなくいとしい。」
お母さんとの確執は知っていましたが、こんなにいろいろな事情が山積みだったのかと、考えさせられました。
白米を食べることもなく四歳で亡くなったというお利口さんの弟のタダシさんの箇所では涙がこみあげました。