なぬらに海峡~ガーデニング編

そういえば白血病だったような気がする人の日記

薬の話

2006-09-10 13:46:20 | 日記
ちょっぴり真面目な話。
頻繁にCMでやっているのでそろそろ殆どの方が「ジェネリック」という言葉を聞いた事があるかと思います。
中には「ジェネリックと言う名の何にでも効く安い万能薬」と思われている人もいるかもしれません。
「後発品」や「ゾロ品」なんて呼び方もします。
先発品の特許期限の終了した成分(医薬品の特許は主成分の物質に対して出願されるそうです)と同じもので作られるものだから「後発品」と呼びます。
また、特許期限が終わった途端にゾロゾロと出てくるので「ゾロ品」と呼ばれるそうです。あまり良い意味ではないですね。
なんでそんなに悪印象な呼び方をされるのかと言うと「安かろう悪かろう」ではないですが
昔は結構、粗雑な製剤が多くそれを覚えている熟年の医療関係者は敬遠しがちだというのがまず1点目。
ジェネリックが安い理由として以下の理由により開発コストがかかっていないが、これもそれぞれ問題を内包しているそうです。
・既に存在している成分を使っている
・既に認可されている成分なので臨床試験を行わなくても良い
まず既に存在している物質を使う=物質が同じであれば何でも良い。
ということで崩壊速度や吸収速度がまちまちであるという問題が2点目。
CMなんかでもやってますよねぇ「胃で溶けて早く効く」とか「腸で溶けて長く効く」とか。
いくら物質が一緒でも腸まで届かないといけないのに胃で溶けてしまっては同じ効き目とはいかないでしょう。
次の臨床試験を行っていない=効き目に関するデータが存在しないというのが3点目。
前にお付き合いのあるドクターが言っていました「薬は効いてなんぼ、効くんだかどうだかも分からない薬は信用できない」と。
まーこの辺は1点目も2点目も含んだ問題なんですが実際に出せるデータが殆ど無いらしいですねぇ。
薬屋も大変です。
4点目は医者や薬剤師の仕事ではあるんですが、その前の予備知識として薬の効能効果について。
医薬品には効能効果(適応症)というものが定められています。
それはきちんと文面化されていて薬ごとにメーカーが厚生労働省から認可をとる必要があります。
複数の効能をもつ薬品も多いです。
ここでジェネリックですがAという先発品に対してB、Cという後発品があるとします。
A薬の適応症は「心臓病」「高血圧」の2種類
B薬の適応症は「高血圧」だけ
C薬の適応症は「心臓病」だけ
というように先発品と後発品で同成分、同薬効だが効能効果が不一致なものがまだまだあるというのが4点目。
この例の場合、心臓病の治療目的でA薬を処方されているのにこれをB薬に変えてしまうと関係ない薬を処方したことになってしまいます。
処方せんには病名の記載はないですし初回の患者さんもあまり言いたがらない事項なので結構面倒な問題です。
病名をきちんと管理し相談できる「掛かり付け薬局」ってのが最終目標なんですが不理解なままジェネリックを求めさ迷う患者さんへの啓蒙活動も大事ですね。

もっともこの効能効果の不一致については先日の厚生労働省から「一致させる努力をすること」とかなんとかという通達が各製薬メーカーにいったそうです。
効能効果不一致でも後発の認可出してたのはお前らだろ
とか
医療事故防止のための医薬品の名称変更とかで狂った様に名前だけ変えるの止めろ。かえって事故るから
まあ物申したいことはやまほどあるわけですが。(特に今年はなんかねぇ)

お薬代半額を謳っているジェネリックですが結局の所、行って7割ですかねぇ。
よっぽどやっすい薬なら半額以下もありますが元が安いのであまり意味無し。
117円の薬を1日3回14日分。通常の3割負担だとして一般的な薬局の算定方法で1960円。
ジェネリックの81円に変えて計算すると大体1570円。
その差390円くらいですか。よっぽどの長期間の処方で無い限りはあまりメリットは無いですね。
飲み慣れない薬で具合が悪くなっても本末転倒ですしね。

あー言っておきますけど別にジェネリックに反対なわけではないですよ。ただ性急過ぎるんじゃないかと思うだけ。
ヨーロッパでも15年かかったという話ですし。
どうせそのうちほかの事に現を抜かすようになる国なんで大して危惧もしてませんけど。

それでは近所の旭川らーめん青葉に突撃してきます。

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