前記事595では、Z^2マンデルブロ点列における、Z0及びZ15~Z15の軌跡の変容の動画を掲載した。
今回は、Z0~Z15の点列、即ち、
Z0,Z1,Z2,・・・,Zn,・・・Z15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
の軌跡の変容を表す動画を紹介する。
Z0~Z15の点列の動画→
Z0~Z15の点列の挙動
***
この動画の詳細な解説は記事588を参照。ここで概略な説明をしておく。
巡回式:Z←Z^2+λは、点列(1)で表される。ここで、λは複素定数。
ここで、Z0=λ とする。
極座標を用いて、半径λの円における点列(1)の挙動画像を求める。
この場合、点Znの色はBASIC/95のカラーコード番号nに一致させている(カラーコードは画像の右上に示してある)。
Z0=λは、半径=λの黒(n=0)で表示される。そして例えば Z1 は青色(n=1)で表示される。
ここで、λを 0.11→1.36 step 1 ずつ増加させていく。
***
この動画で興味深いのは以下のことだ。(記事595と基本的に同じ。)
-----------------------------
1.点Z0(黒い円)がマンデルブロ集合内の或る範囲内では、Z1~Z15も近似的な円を描く。その場合、その円の大きさはZnのnに従って振動している。
2.更に、点Z0(黒い円)がマンデルブロ集合内の或る範囲内で増加していくと、Z1~Z15は捻じれた「ら線」状曲線を描き始め、Z0の増加につれて其の「ら線」も増大していく。
2.点Z0(黒い円)がマンデルブロ集合の境界に達すると、Z1~Z15の曲線は混沌とした錯乱状態の「乱舞」を呈するようになる。
3.その錯乱した「乱舞」は、点Z0(黒い円)がマンデルブロ集合の「頭部」の境界を過ぎるまで続く。
4.点Z0(黒い円)がマンデルブロ集合の「頭部」の境界を過ぎると、Z1~Z15の曲線は「柔らかな舞い」になる。
----------------------------
Z1~Z15の挙動は明らかにマンデルブロ集合の境界線と密接な関係があり、その挙動の複雑さには或る法則が存在するに違いたないだろうが、「錯綜とした乱舞」のような文学的表現でしか私は表せない。
ともあれ、マンデルブロ画像及び其の点列の不思議さと美しさを感じざるを得ない動画だ。。
***
ここで上の動画の具体的数値を示しておく。
K=0→50000 従って、dθ=2π/50000=0.000126rad
J=0→240, Rmax=1.36 従って、dR=1.36/240=0.00567
表示画像の中心点=マンデルブロ画像の重心座標値=(-0.14,0)
点列の極座標値はマンデルブロの重心座標値に一致させるように、(-0.14,0)だけ平行移動させている。
従って点列座標値はマンデルブロ集合画像座標値と一致する。
-------------------------------------------------------
参考のためにBASIC/98のプログラムを下記しておく。
注:KMAXはRの大きさによって適宜変えた。
10 REM マンデルブロ点列:Z0~Z15
12 CHAIN MERGE "C:\BASIC\PRO\SUBR\COLOR右上表示.BAS",50,ALL
50 CHAIN MERGE "C:\BASIC\PRO\SUBR\KOSHIKI.BAS",80,ALL
80 CHAIN MERGE "C:\BASIC\PRO\SUBR\ER1.BAS",90,ALL
90 ON ERROR GOTO 50000
91 CONSOLE ,,0,1
92 COLOR 0,7,,,2
93 CLS 3
94 GOSUB 10000
100 GOSUB 3000
101 PSET(320,240),2
102 OPEN "C:\BASIC1\RUN\DATAマンデルC.DAT" FOR INPUT AS #2
103 IF EOF(2) THEN 107
104 INPUT #2,X,Y
105 PSET (X,Y),0
106 GOTO 103
107 CLOSE #2
110 OPEN"C:\BASIC1\RUN\DATA.DAT" FOR OUTPUT AS #1
120 JMAX=240:KMAX=50000:RMAX=1.36:X0=-0.14:Y0=0
130 DR=RMAX/JMAX:DTH=2*P/KMAX:AA=JMAX/RMAX:NMAX=15
132 CXS=-1.5:D=1.36/320:CYS=-240*D:DTHDO=180*DTH/P
142 N1=220
150 J=20+N1
160 R=J*DR
170 LOCATE 0,0:PRINT "Z0,~Z15の軌跡の変容"
176 LOCATE 0,2:PRINT "Znの色はcolor code No.n"
183 LOCATE 0,3:PRINT "とすると色=n,但しn=7→8とする"
184 '
190 FOR K=0 TO KMAX
200 TH=K*DTH:THH=TH
206 CX=R*COS(TH)+X0
220 CY=R*SIN(TH)+Y0
221 X=0:Y=0
230 FOR N=0 TO NMAX
240 X1=X
250 X=FNR2(X,Y)+CX
260 Y=FNI2(X1,Y)+CY
270 Q=X^2+Y^2
272 K1=(X-CXS)/D:J1=(Y-CYS)/D
273 IF K1<0 OR J1<0 THEN 310
274 IF K1>640 OR J1>480 THEN 310
282 C=N
292 IF C=7 THEN C=8
300 PSET (K1,J1),C
310 NEXT N
390 NEXT K
400 CLOSE #1
520 END