ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年6月10日。ウクライナ侵攻から107日目

2022-06-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月10日。
 ベラルーシはすっかり夏になりました。
 
 ベラルーシ大統領は地政学的な見地からも圧力を外部からかけられており、西ウクライナの地域が西側諸国に占領・領土を奪われることを防ぐために、派兵することを拒否しないと発言しました。
 ここ数日、ウクライナの東部地域で激戦が続いています。もしウクライナ軍が負けたら東部地域は、ロシアの管轄に置かれ、時間をおかず、ロシア領になってしまうでしょう。国際的に承認されなくてもクリミアのように実効支配されると思います。
 そして、ベラルーシ大統領がすでに複数回、西ウクライナを西側諸国、特にポーランドが占領しようとしていると発言していることが気になります。
 ロシアもそうでしたけれど、外国に派兵することに理由付けが必要なんですよね。ウクライナのネオナチからウクライナ人を助けるために、ロシアが軍を出すのだ、といったことを理由にしています。
 ベラルーシも、西部ウクライナ地域をポーランドからの侵略から守るのだという大義名分を掲げて、ウクライナ領に派兵する可能性があります。
 今まではロシアからベラルーシに向かって、援軍を出せ、ロシアを支援せよと要請されているのではないかと世界から見られています。現時点では、ベラルーシは国境近くで軍事演習をしたり、ロシア軍がベラルーシ領内の軍事関連施設を利用するのを黙認したりしていましたが、実際にベラルーシ軍がウクライナ領内に入って戦闘に加わったことはありません。
 ベラルーシはうまく(自分たちは人的損害を被ることなく)立ち回っていると思われることもあります。ロシア大統領も「ベラルーシはロシアを助けてくれない。言うことを聞いてくれない。」と不満に思っているのでは? 実はロシアはベラルーシに苛立っているのでは? などと予想している専門家もいます。
 しかし、影では、東ウクライナをロシアが、西ウクライナをベラルーシで分割・占領・実質支配・領土割譲しようと両国の間で密約されている可能性もあると思います。
 もちろんベラルーシが混乱に乗じて西ウクライナを占領し、自国領に入れるには、ある程度自分たちの血も流さないとだめだとロシアから釘を刺されているでしょう。つまり、実力行使をしなければならないと、ロシア側から突かれているので、ベラルーシ大統領も上記のような発言をときどきしなければならない状況になっている可能性があります。


 1991年のリトアニアの独立宣言の承認を取り消す法案がロシア連邦下院に提出されました。
 リトアニアが合法的にソビエト連邦を去ったことをロシアが認めないということになります。

 これに対してリトアニア側からの発言。
「ロシアが1991年からリトアニアの独立の承認を否定した場合、リトアニアは 1634年のポリャノフカ条約を非難し、プーチンがヴワディスワフ4世の権威に服従し、占領地をリトアニア大公国に返還するよう要求する。スモレンスクはリトアニア領です。」

 さらにロシアへのウクライナ側からの発言。
「キーウ市議会は、キエフ・ルーシのウラジーミル・スズダリ公ユーリー・ドルゴルーキーが1147年にモスクワを開基したことを取り消した。これでモスクワが消滅しました。」