ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年6月20日。ウクライナ侵攻から117日目

2022-06-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年6月20日。

 またベラルーシ各地で大規模なカードの利用ができなくなりました。交通機関での支払いがカードでできなくなっています。夕方6時にはこの問題は解決しましたが、また同じような問題が起こりそうです。

 
 ロシアの飛び地、カリーニングラードへの貨物列車による輸送をリトアニアが18日以降禁止しました。
 ロシア大統領報道官は今日「前例のない決定であり違法だ」と強く反発。ロシア外務省はリトアニアの臨時代理大使を呼び出して抗議。
「近い将来、貨物輸送が完全に回復しない場合、国益を守るために措置を取る」
として対抗措置を取ることを示唆していますが、これをロシア側のメディアでは
「ロシアがリトアニアに最後通牒を叩きつけた。」
と表現しています。両国の関係がますます冷え切りました。


 対ベラルーシ国境に高さ5.5メートルのフェンスを建設中のポーランド。
 19日には231人のインド人、セネガル人、モロッコ人が不法入国しようとしたのを阻止。
 その後も国境地帯をパトロールしていたら、フェンスの下に穴(たぶんトンネル)を掘っていた6人のベラルーシ人兵士を発見しました。
 (報道にはないものの)ベラルーシ人兵士はベラルーシ領内にいたので、おそらくその場を離れたようです。
 その掘りかけの穴のようすがニュースになっています。


 セベロドネツクのアゾフ化学工場に白旗が上がったと速報が入りました。


 ウクライナ議会でロシアの音楽の演奏や書籍の出版を制限する法案が可決されました。
 詳しくは・・・
 ロシアの音楽を公共の場で演奏したり、ラジオやテレビで放送したりするのは禁止。(個人が自宅で鑑賞するのはいいようです。)

 ロシアやベラルーシの出版物の輸入を禁止し、ウクライナでロシア人が書籍を出版・販売することを禁止する法案も可決しました。
 ウクライナの文化情報相は、「音楽の分野や図書館などでロシアのコンテンツをウクライナのものと差し替えるべきだ」とコメントしています。
(ベラルーシ大統領が昔、いわゆる西側諸国のモデルはきれいじゃないから、きれいなベラルーシ人のモデルだけを採用せよ、外国人モデルの採用を禁止したことを思い出してしまいました。)

 ただし禁止の対象は1991年のソ連崩壊以降にロシア国籍を保有するアーティスト・作家の作品で、ロシアによるウクライナ侵攻を非難している人の作品は除外されます。(じゃあ、アレクシエーヴィチの本は大丈夫ですね。)
 チャイコフスキーやトルストイなど古典作品を排除するものではないとしています。(そうでないとチャイコフスキーのバレエをウクライナで上演できません。)


 ミコライウ市は18日、市内の学校で新学期が始まる今年9月からのロシア語授業の廃止を発表しました。
 ウクライナ政府も全国的に同様の措置を検討しているという。
 ウクライナ東部などでは日常会話で公用語のウクライナ語以外にロシア語を使用する住民が多いのですが、このような法律ができると、生活で困る人も出てきます。でも、ウクライナなんだからウクライナ語を話さないとだめでしょ、と思う日本人が多いでしょうね。
 ともかくウクライナがこのようにロシア文化・ロシア語排斥の態度に出ると、ますますもってロシアは「ロシア系住民は差別されている。彼らを保護するために、軍を投入する。困っているロシア系住民にどんどんロシア国籍を渡し、ロシア(の過疎地域、人手不足地域)へ移住してもらう。そのほうが安全だし。」
と、またロシア軍を投入してもいい口実を与えてしまう気がします。

 ウクライナ西部では前々からそうでしたが、ロシア語使用が嫌悪されています。
 こういう報道が流れると、結果敵にウクライナが東西に分割されると予測している(ベラルーシ)人が多いのですが、予想が当たってしまうのかなあという気がしてきます。
(ロシアが分割されると言っている人もいますが。)

 モルドバでは19日、大統領がロシア語のニュース放送を禁じる法案に署名しました。
 今週にも施行される見通しです。ロシア側のプロパガンダに警戒を強めているとみられています。