もちろんシェイクスピアは初挑戦。
オセローは、あらすじさえ知らなかった。
朗読にするならぜひ、坪内逍遥じゃなきゃとの逍遥さんLoveの熱い気持ちがあっただけなのだけれど、
最近は、他の翻訳も読んでいる。
すると坪内訳ではわからない部分が見えてきた。
例えば、「Down、strumpet!」の訳について。
坪内訳「えっ、下にゐをれ、淫婦め!」
小田島雄志訳「もうよさぬか、売女!」
福田恆存訳「降りろ、売女!」
松岡和子訳「黙れ、売女!」
坪内の訳だけだと、状況がどうしてもつかめなかった。
「DOWN」というのは自分の体の下にいろ、なのか、ベッドから降りろというのか、もっと謙れということなのか、わかりかねていた。ベッドの上か、床の上に下ろされているのかで、あとあとの動きが変わってくる。
このDownという単語に惑わされて、ベッドから引きずり降ろされて床の上で殺されたと思っていた。
シーツを首に押し付けて殺すのだから、ベッド上では難しいだろうと考えたのだ。
あとでイミーリアがデズデモーナの傍で息絶えるのだし、オセローもデズデモーナの亡骸に口づけしながら重なって死ぬ。
でも
当時のベッドは、ふかふかではないのではないかと。
ベッドは、意外と広いのかも、と。
松岡訳本の注に「Downは沈め、ということなので、こう言いながらベッドに押し付けると考えられる」
うん。これが決定打、ベッドの上だ、と決めた。
躓くたびごとにおもしろくなる。
課題満載のオセローだ。
詳しい方々には、「なんてくだらない」と思われるかもしれないが
このような初歩的な積み重ねが、楽しいのである。
さて
次の課題として取り組み始めているのが
嫉妬について!
この劇の主題でもある。
嫉妬について考え始めると、どんどん妄想の中に入り込んでいく。
男女の嫉妬ばかりではない。
焼きもちを焼く、という意味だけではない。
嫉妬は妄想から生まれる?
等々
しばらくの間、頭の中が、ますますぐしゃぐしゃな状態に陥りそうな気配なのである(笑)
出演者3人の個性で、3つの物語をそれぞれ3~40分に切り取ったり縮めたりします。
三つの際立った色合いのシェイクスピア・・・
どっぷりと沙翁ざんまい☆