清水きよしさんのパントマイム公演に行った
2度目の鑑賞だ
1度目は那須高原の小さなホール
少人数で
樹々の揺らめきのなか
それはそれはあたたかで特別な時間
今回は300人近く入るホールが埋まるほどの規模の公演
開演前の人の多さに
これはたいへんだ
1度目のあの印象が覆されちゃったらどうしよう
もともと
人の大勢いるところへ出かけるのが苦手で
那須の公演にはすいすいと出かけることができたのに
座高円寺のような
都会のホールのあの雰囲気は馴染めないし
せっかく来ているのに
どうしよう
しかし杞憂であった
清水さんの温かい心が
きちんと届いた
会場いっぱいに届いていた
ともすると型や見栄えにばかり
重点が置かれてしまうような出し物が多い中
そういったものがもてはやされる中
一瞬一瞬が丁寧に紡がれていく
仮面と素との言葉のない対話にも
強く惹きつけられた
面に意思があるように思えた
言葉を発しないのに
言葉以上のものが伝わってくる
嬉しい悲しいという言葉を使わないのに
喜び悲しみが伝わってくる
情景が見える
たぶんおそらく
その伝わり方は人それぞれ
鑑賞している人の持ち合わせている
感情や経験を
すっと引き出してくれる
引き出されたものが
心に広がり
言葉となりその人の色となって
五臓六腑に染み渡る
したがって色は受け手の数だけ
受け手しだい
ああ
こんなふうに
言葉を超えたところで
心に沁みる朗読ができたらなあと思う
言葉による表現なのだから
パントマイムのような自由さはない
しかし聴き手の心の景色は
それぞれなので
いろんな色で感じていただけたらと常々思う
悲しいという一つの言葉から
あなただけの色の悲しみを感じていただけたらとも
いつも思う
桜桃忌の朗読
「太宰治」という強烈な色を
私のパレットで
どんな色をつくることができるのだろう
清水さんのパントマイムから
得た色を
私のパレットに加えたら
どんな色になるのだろう
今日読んだ本の1ページも
そこに加えたらどんな風になるかとわくわくする
桜桃忌まで
あと20日だ
どんな色をお届けすることができるか
白くしょんぼりうずくまる幽霊を
白くしょんぼりと声にしつつ
幽霊の纏っている寝巻の生地の素材まで
髪の乱れまで
想像していただけるよう語りたい
あらあら
私は言葉が多すぎる
うまく伝えることができないから
言葉がどんどん多くなる
困ったものだ
🌸
なるべくご予約をしてから
いらしてくださいね
お待ちしています
💖