慢性腎不全の亭主の腎臓の数値がだんだん悪化して去年いきなり「腎臓くれ!」と言われて「やだ!」と即答したら拗ねた。
そりゃだってあんた、まるで「100円くれ!」って言い方で「腎臓くれ!」って言われりゃ誰だって断るでしょうよ。
あたしの大事な臓器だよ。
財布の小銭みたいに「ほい!」っとは出せるもんじゃないよ。
で、透析って腎機能が悪化したから明日すぐに透析開始って出来るもんじゃなくていろいろ事前に検査したりする。
心電図撮ったりとか血管の太さを確認したりとか。
私が透析を急いだのは医師から亭主が「数値が悪くなってるのでこのままでは透析か腎移植が必要になる」と言われたんでしょう。
今までは一人で腎臓内科に行かせてたけど息子が「親父は自分に都合が悪くなると本当のことを言わないからかあちゃん一緒に病院に行ってくれ」と言われ一緒に行くようになった。
本当に医師と私だけが会話して亭主は他人事のような態度だった。すげー感じ悪かった。これじゃぁ息子の言うとおりだ。
私が透析を急ぐのには理由がある。
去年巨大掲示板の山岳遭難スレッドを見たら透析(週3回)受けてる登山好きの男性が透析後に車で山の麓の登山口の駐車場に車を止めて山頂の山小屋で一泊して翌日下山してまた透析を受ける登山計画を実行した。
車を止めていざ登山開始、あと少しで山小屋に到着と言う所で彼の胸に激痛が走る。
歩けない。幸い周囲にはほかの登山者がいたので、急病を訴えると山小屋に走ってくれて小屋の管理人が救急のヘリコプターを呼んでくれて下の病院に搬送された。
診断は「心筋梗塞」
幸いにも処置が早く手術を受けて一命を取り留める。という話だった。
山小屋があるほどの高山だから登山で心臓に負担がかかったのだろうと考えられる。
でも腎不全の患者はこういうリスクを抱えている。
私は医師に訊いた。「透析してなくてこういう状態になったらどうなりますか?」
医師は「シャントが無ければ首から透析になりますね」
私「え?首から透析ですか?ひぃ・・・ねぇお父さん、あんたシャント作ってないと首から透析だって。どうする?」
これには亭主もびびったみたいで「シャント作ります」とやっとOKした。
人工透析には利き腕とは違う腕の血管の動脈と静脈を繋ぎ直すシャントという状態を作らないと受けられない。
その為にはシャントを作る手術が必要になるが、明日シャント作りましょうってわけには勿論いかない。
心臓が透析に耐えられるか検査。血管の太さの確認。手術日の予約。いろいろある。なんかレントゲンも受けてたな。
で、来月2月に2泊三日で手術日を決定できた。
医師も「シャント作って有れば何かあっても安心ですよ。それにシャント作ってもすぐに透析始めなくちゃいけないって訳でもなく作って1年位始めなくても済んでた人もいらっしゃるし。
ただシャントの部分に血栓が出来やすいので気を付けていただく必要はありますが」
そうか、シャント作ってもすぐ透析開始ってなるわけじゃないんだ。亭主は少し安心したみたい。血栓は不安だけどね。
ということで親子で心配してた透析への道筋がついた。
来月も忙しくなりそうですわ。