昨日見つけた双極性障害番組のついでにNHKEレテのWEBを見ていて、自殺に関するサイトの著名人のエッセイ?を読んでいた。
西原理恵子さんのエッセイ(イラスト・漫画)を読んでいて、ちょっとぐっときてしまった。
ガンで亡くなった旦那の鴨志田穣氏(フォトジャーナリスト)は以前アルコール依存症を患い寛解した人物だ。
アルコール依存症は現在では意志の弱さで起こる病気ではなく、脳の脆弱性(アルコールに対する弱さ)で起こる病気と精神医学では脳研究によって考えられてる。つまり統合失調症・双極性障害などと同じ脳の臓器の病気である。
脆弱性による個別のアルコール・ストレスラインを超えると、脳がアルコールを覚醒物質と同じように認識してしまう。依存性もそのせいである。
そのイラストではアルコール依存症を克服して別居から家族のもとに戻った鴨志田穣氏がその後ガンを発症して病院に入院する。そのとき鴨志田さんは「がんだとまわりにこんなにかわいがってもらえるんだ・・・」とつぶやいたという。
最初に西原さんは「自殺という病気はかわいがってもらえない病気です。私の夫はアルコール依存症という病気で、これもまた、かかった本人がまわりからにくまれる病気でした」と語っている。
ボクはうつのときには多少かわいがってもらえたが、自殺未遂に移行したり、結局双極性書害という二大精神病と判ってから、あるいは躁転してからは、ほんとうにまわりからにくまれている気がしたし、事実にくまれるような行為をした。
大事なのは西原さんが語るように「にくまれる」ような症状があったとして、その病気に対する周囲の正確な知識や理解なのだと思う。ボクらは好きこのんで病気になったわけでも、問題行動をしているわけでもない。
脳の中の神経伝達物質の偏りや異常が統合失調症も双極性障害もアルコール依存症も起こっているのだ。それは肝臓の機能が弱くなったりしているのと基本的には変わりはない。
何よりこれらの病気は現在薬等でかなりコントロール可能な病気になりつつあるのだ。
ガン病棟には仕事で何度も出入りしたからその重さやつらさも知っているつもりだが、鴨志田さんのつぶやきは心を揺さぶらされた。
○NHKオンライン「自殺と向き合う:西原 理恵子さんからのメッセージ」