どこ吹く風

旅のことを主に書く。

康定橋へ

2008年11月11日 10時26分18秒 | 08年中国の旅
 トイレ休憩を済ませ大混雑している市場前を通り抜けた。タイヘン時間が掛かりました。農作物を始めとする商品が道路の車道にはみ出し、通行人やら客待ちの車で道が埋まっている。田舎では充分広い道路がすれ違い出来ないほど狭まっている。そこを大型バスと大型トラックがすれ違うのだから至難の業、お手上げ状態になっている。周りの住民は混雑には全く関係無いかのごとく平然としている。ガイドが降りて商品を移動させ、対抗車両を誘導しそしてバスを進める。
バスの窓からその状況を見ていて面白かった。

 11時過ぎに早めの昼食をとる。中国人の食事は慌ただしさを感じる、ご飯とスープの他に7~8品並ぶのに20分足らずで食べ終わる。ターンテーブルが無いので皿は空いている所に置く、手をうんと伸ばすか立ち上がって箸を出すのはしょうがないとしても、立ったまま食べている人がいる。奇妙に感じるも周りの人はそれほどでもない。
出発前に小用を済まそうと其処へ行くと案の定ニーハオトイレだった。(笑)

 早めの昼食をとって又高速道路に入り暫らく走る。康定との表示板が見えてインターを降りた。そこにモニュメントがあった、荷物を担いだ人や馬が行列している像が並んでいる。写真を撮り損ねた。
私はピンときた、あれは長征の記念像だろうと。学生時代に読んだ「長征」を思い出した、橋を制圧せねば紅軍は行く手を阻まれる、橋を死守すべく対岸を急ぐ蒋介石の援軍。この戦闘の様子はまるで三国志を読んでいるかのごとく興奮したものだ。

 その康定橋が近いのか、と思ったらここはほんの入口でこれから渓谷沿いに峠を越えて行かねばならないようだ。バスは曲がりくねった山道をぐんぐん上っていく、しかも広くも無い道それに見通しが悪いのに前を走るトラックを追い越す。追い越したと思ったら後から走ってきた車両に追い越される。前からは追い越してくるトラックもある、双方とも警笛は鳴らしっぱなしだ。

 この警笛を善意で解釈すると、直前の車には追い越しますヨという合図とともに、カーブになっていて見えない前方の対向車には追い越し中なのでご注意あれ、という合図なのでしょう。
走行しているのは大型車両が主なので衝突事故が起きたら大型バスとはいえ安心できない。しかも谷に落ちたらどうにもならない、しかしほぼ全ての車両が先を急ぎ追い越しレースに参加している。無謀なのか運転技術が良いのか判断は紙一重、いややはり無謀なのだろう。でも前に車がいると何時追い越しをかけるか期待する心境になるのは不思議だ。(笑)

 そろそろ峠かと思うとその先が出てくる、高度が上がるに連れて涼しくなってきた。蜀は山国だと実感する。ようやく二朗山トンネルに到着する、数年前にトンネルが出来たので時間が短縮されたとあった、長さ4Kmなのに中国で一番長いトンネルだそうだ。何でもでっかく大きい中国でたった4Km で最長のトンネルに少々拍子抜けする。地震の影響を受けていないのが何よりです。

 トンネルを抜けて降りていくと康定と海螺溝との分かれ道があった。バスは橋へと右の道をとった。遥か下のほうに大渡河が流れている。長征の史跡が見られるので感慨深いものがある。昨年行った延安の楊家嶺、今年は康定橋と長征に関連する史跡へ行けて嬉しい。
もしかして現代の中国人よりも思い入れがあったりして・・・(笑)

写真:このような場所を大型バスが抜けるのだからタイヘンです。