どこ吹く風

旅のことを主に書く。

青蔵鉄路 車中

2008年11月22日 15時47分49秒 | 08年中国の旅
 目が覚めると河北黄土地帯を思わせるところを走っていた。ヤオトン(洞穴)らしきものも見える。四川省の山や渓谷とはガラッと違う風景、緑が少なく土よりも砂礫と表現したほうが近い脆そうな黄土を削り取った川が流れている。延安へ行く時見た光景に似ている。随分西のほうに来ているのか。

 窓脇のテーブルには花が生けられている。テーブルの下にはコンセントがあるので、カメラの充電をした。スーツケースをベッドの下に押し込もうとしたが厚みがあり過ぎて入らない。テーブルの下に立てて置いたけど足が入らないので座りにくい。厚さを考えておくべきだった。部屋の出入り口の上に荷物スペースがある、けっこうな広さがある、廊下の天井部が収納スペースになっていた。重いものを置くには一苦労する。
出入り口の引き戸には内鍵が掛けられるようになっていた。

 枕元には酸素の噴出し口があり、吸引用のチューブは乗務員が配る。ライトのスイッチやBGMのコントローラーもありサービスは行き届いている。お湯はポットが置かれており、各車両毎に湯沸しもあった。非常食の携帯ごはんを作るとき、コーヒーを飲む時、カップ麺を食べる時に利用した。

 成都を出て初めての停車は天水、ホームでは果物やお菓子を売っているので乗務員に断って買いに出た。乗務員がホームに降りたら乗客も降りていいようだ。何分停車するのか、あるいは出発時刻を聞いても知らないと言われるので安心してホームに降りられない。
 食事は持参したものも食べたが食堂車も利用した。乗客が多いので食堂車はすぐ満席になるだろうと思って何食かは持参したのだ。弁当販売もあり、持参した食品で済ます客が多いのか満席で断られることはなかった。お粥セットで15元、ワゴンセールの弁当はご飯におかず3品で20元だった。
メニューもロクに読めないので私たちの定番は回鍋肉と野菜炒めそれに何か一品とスープ、ビールも付けて90元ほど。
アルコールは高山病対策の3本指に入っている、しかしその事を忘れてしまって食事時についつい注文してしまう。さすがに5000m地点を越える時のランチタイムには惜しいと思いつつも半分残した。

 40数時間火車で過ごしたけど、ほれほどタイヘンでもなかった。隣のオランダ人カップルは乗る時点でキップを1枚紛失した、改札口の係員の不手際だと乗務員とやり合っていた。英語がしゃべれる人はいないかと言われてノコノコ顔を出したけど役には立つとは思えないが一応話し合いに加わった。パ-ミットを見るとちゃんと2人分の氏名が記載されているので問題ないだろうと口を出す。パーミットを指で示して”両個人、没問題”と
言うただけです。(笑)

 話はかわるけど中国人夫婦のひどい臭気にはマイッタ。真夏の現場で肉体作業をして汗まみれになった衣類を数日着ていたような臭いがするのだ。7~8メートル通り過ぎたあとでもその臭いが残っている。狭い廊下ですれ違おうものなら息を止めて足早に歩いて離れることに専念した。ただでさえ酸素不足なのに息を止める愚挙、分かっているけど酸欠でぶっ倒れるか、臭気でぶっ倒れるかの二者択一という感じ。
外へ出るときはその人がいないかどうか確かめてから出るようにした。パジャマから臭いが発していると思われるが下車寸前まで着っぱなしだった、当人たちは麻痺しているのだろう。旅はいろいろなことに遭遇するけどあのような体験は二度としたくない。

 あの臭いの後なら私の屁なんて可愛いものだろうと妻に言うと、ハイあれとこれとは別のようで怖い声が返ってきた。やっぱりナ~