どこ吹く風

旅のことを主に書く。

南部横貫公路

2009年02月17日 09時41分42秒 | 元宵節 09年
 台南と台東を山越えで結ぶ南部横貫公路は前々から狙っていたところです。今回の旅行に当たっても随分調べました。すると1日1本細々と繋がっていたバス路線がつい数ヶ月前に廃止になると書かれているではありませんか。ガッカリ。

 それでもタクシー料金の交渉次第では回り道して墾丁まで行こうということにした。礁渓から台東までNT$6500という目安ができたので早速フロントで取り次いでもらうと、なんと4000元という。即座に翌日の予約を入れた。

 朝食無しのホテルなので昨夜の残り物と持参したコーヒーで済ませ出発。タクシーは昨日のとは違い新しく運転手もピシッとしている。横断道路の入口は台東の北にあるので花東縦谷公路(山側の道路)を10数キロ北上する。途中コスモスが畑一面に咲いている場所が所々にある、観光用に咲かせているのか。日々草の畑もあった、付近にはサトウキビのジュースを絞って飲ます屋台やトウモロコシ売りもいる。トイレ休憩もこのような場所だと浮きうき気分になる。

 横断道路への分岐点の海端(ハイトワン)は温泉郷なのでここに泊まってもよかった。いよいよ山道に入る、広い川が次第に狭まり峡谷の風景になっていく。桜が咲いている、色からして寒緋桜だ。先ほどのコスモスや桜を見ていると台湾とオキナワはよく似ている、秋に咲く花のコスモスが今頃咲き桜もしかり、また高度を上げるにつれて葉桜になっているのもオキナワと同じだ。

 道幅は狭く谷間のキレは深くなっていく、昨日も感じたのだがドライバーの運転がフツーになっている。以前は自分の車の前に他車の存在を許さないと、高速道路でも山道のカーブだろうがムリにでも追い越していた。それなのに今回はその気配すら感じない。ドライバーの皆さんは一体どのような心境の変化があったのだろうか。

 高度が上がると気温も下がりトレーナーを着た。天池の峠に近づくとガスが出て景色は全く見えなくなった。最高地点は2722mで西側に抜けるトンネルがあった。展望台もあるがこの天候では意味を成さない。
トンネルを抜けると晴れている陽気が漂っている、この違いはそれだけ山が高いという事か。深い山の中ではあるが集落も散在しお茶や梨園などが見られる。バスで越えるとなると一日がかりだろう。そのバス路線が廃止になり生活に影響は無いのだろうか。

 桜の赤、梨園の白い花に峡谷とこの横断道路は通る価値がある。4000元(11.000円)のタクシー料金を惜しむべからず。
昼時なので食堂を探すように運転手に頼むが、ここもシーズンオフなのか閉じた店が多い。開いている店は大入り満員なので下り続ける。ここら辺りの集落の名前がいい、桃源とか寶来とかある、厳しい環境を抜け出たい願望なのか。寶来で弁当屋に入り写真入の大きなメニューを見て招牌弁当ーつまり当店のお勧め弁当ーを注文した。同じ品なので普通なら4個一緒に持ってきそうだが、一つひとつ仕上がり次第運んできた。1個60元也、ビールを置いていないので向いの商店で買って飲んだ。

 今日の目的地墾丁まではまだ遠い200Kmは残しているだろう。