きっと、最後

おとといの調停のときに、父と
顔を合わせることはありませんでした。

でもわたしがひとりで調停室へ向かって
いるとき、携帯で話す父の声が
聞こえました。

廊下で話していたんでしょう。

きっと振り返れば、顔が見れたはず。

けど、見たくなかった。

もう、一年半以上会っていないけれど、
これからも会うことはない。

声を聞くのも、きっとあれが最後。

あのときなぜか少し、涙が込み上げました。

妻と娘を見捨て、息子と母親を選んだ父。

わたしのなかで父は、死にました。
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調停成立

おとといご報告しました通り、
両親の婚姻費用分担の調停が成立と
なりました。

まさか一回で成立するとは夢にも
思っていなかったので、気が抜けて
しまいました。

成立したとはいえ、こちらの希望額の
半額で妥協することになりましたし、
実際に振り込まれるかもわかりません。

調停員の方がふたりとも良い方たちで、
代理人許可は無理だけれども、
補佐人許可を勧めて下さり、その場で
申請書に記入して裁判官に許可を
いただきました。

なので、わたしも調停の場に立ち会う
ことができました。

調停では、男女一名ずつの調停員が
申立人と相手方の話を交互に聞き、
お互いが納得できるように取り持って
くれます。

わたしは一応、これまでの経緯や
どれだけ母が生活に困っているのかを
陳述書としてまとめ、それを調停員の方たちに
一部ずつ渡しました。

これのおかげで、話がスムーズに
進んだので、作成してよかったです。

父親は最初、婚姻費用を一円も出さないと
言ったそうですが、調停員の方が
「それはありえない」と突っぱね、
いくらなら払えるか尋ねた額が、
こちらの希望額の半額。

本当か嘘かわからないけれど、会社の
経営が苦しくて、その額以上は無理と
言ったらしい。

その額が、ちょうど婚姻費用算定表の
相当額だったので、調停員の方たちは、
これで合意したほうがいい、と。

自営業なので、給料なんていくらでも
ごまかせるので、家裁に提出した
所得証明が実際とは異なっても、
それを元に婚姻費用が算出されて
しまいます。

最初納得いかなかったのですが、
ここで食い下がっても調停が長引いて結局
審判になって、今相手方が提示
している額より低くなる可能性もあるし、
審判になると家計簿を提出したりして
煩雑になると聞き、これで手を打った
ほうがいいのかなあ、と。

母もそれでいい、と。

でもとりあえず、難病の医療費や
デイケアへの通所にお金がかかると
アピールして、5000円上乗せを要求し、
「必ず毎月振り込むこと」を条件にしました。

すると父は、合意。

言ってみるもんだ……。

ほとんど母はわたし任せで、わたしと
調停員の方たちとで話が進んだ感じです。

全然「補佐人」じゃなく、「代理人」
だったような……。

一生経験することがなかったかもしれない
調停を、まさか親のために経験することに
なるとはねえ。

人生わかりませんな。

申し立て準備から考えると長かったし、
心身ともに疲れました。

婚姻費用分担の調停でこれだけ疲弊するのに、
離婚調停なんてどうなっちゃうんだ!?

実際にお金が振り込まれるかは
わからないので安心はできませんが、
少し肩の荷がおりた感じかな……。
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